レバレッジ取引のロスカットとは?
ビットコイン(BTC)などの暗号資産取引においてレバレッジ取引を行った場合、価格が大きく変動した時にレバレッジを利かせているとロスカットが行われることがあります。ロスカットとは、あらかじめ決められた損失に到達した場合に、それ以上の損失が起きないように暗号資産取引所などが強制的に決済することを指します。
ここではビットコインなどの暗号資産に関するロスカットの仕組みや流れ、ロスカットがある理由などをご紹介します。
ロスカットとは?
ロスカットとは、信用取引において決められた限度までポジションの含み損が大きくなった場合、それ以上顧客の損失が拡大しないように、取引所が強制的に決済する方法です。この仕組みは暗号資産取引だけでなく、株式や商品先物取引においても同様に導入されています。
これは顧客の資金を強制的かつ一方的に決済(ロスカット)することで、損失拡大を防ぐという意味があります。顧客にとっては意図しないタイミングで決済されてしまうものの、損失を限定することができます。
また、ロスカットは一定以上の損失が発生することで実行されますが、この水準に関しては、利用する暗号資産取引所によっても異なります。
ロスカットの役割と必要性
現物取引の場合、仮に保有する暗号資産が突然0円になったとしても元金以上の損失が生じることはありません。一方で、レバレッジ取引(信用取引)においては、ユーザーは元金以上の損失が発生することもあり、中でも「空売り」を行った場合は損失が青天井になる可能性があります。
ロスカットには、顧客が大損や想定しない借金を生まないようにするための役割があります。DMM Bitcoinでは証拠金維持率50%以下になったときにロスカットが行われます。
例えば、ある投資家は2億円を持っており、これを使ってレバレッジ2倍の取引、つまり4億円分のビットコインを購入することにしました。
しかし、何らかの理由でビットコインの価格が急激に下落し、4億円分のビットコインが1億円になってしまったと想定してみましょう。
こうなってしまった場合、1億円分のビットコインを決済したとしても、さらに1億円を返還しなければならない「負債」が出てしまいます。
もしロスカットという仕組みが存在しないと、この状況をそのままにしてビットコインの価格がさらに下落した場合、投資家はさらなる借金を背負うリスクが生じます。
そのため、投資家が証拠金(担保資金)を上回る損失を被る前に、取引所は自動的にポジションを閉じ(ロスカット)、大きな負債の発生を防ぐのです。
ロスカットと証拠金の関係性について
ロスカットは、レバレッジ取引をはじめとした信用取引においてこれ以上の損失を生まないために暗号資産取引所が強制的に決済する制度ですが、そもそもレバレッジ取引を行うには、「証拠金」を用意する必要があります。ここではその証拠金と維持率、ロスカットとの関係性、維持率計算法や注意点についてご紹介します。
証拠金とは?
証拠金という言葉は、株式やFX、商品先物取引で聞いたことがある方もいるでしょう。
暗号資産においても基本的な意味は同じで、レバレッジ取引を始めとした信用取引を行う際に預ける預託金を指します。
現物取引の場合、1000万円のBTCを1000万円で購入するだけですので、証拠金という考え方はありません。しかし、1000万円を元手にして2000万円の取引を行いたいという場合に証拠金が必要になります。
これは証拠金を預けることで、その元手以上の取引ができるようになる仕組みで、仮に損失が発生しても損失分は基本的には証拠金から徴収されます。
この証拠金はいわば「担保」としての意味があり、その額は暗号資産取引所によって異なります。また、DMM Bitcoinでは、日本円だけでなく暗号資産も証拠金として担保に使用することができるため、効率よくレバレッジ取引を行うことができます。
証拠金維持率の概要
証拠金維持率とは、必要証拠金に対して占める純資産額割合のことを指します。この純資産とは、証拠金から含み損と含み益を足したものになります。
DMM Bitcoinの場合、証拠金維持率は以下のように計算します。
[(純資産総額 - 注文証拠金※)÷必要証拠金×100]
※注文証拠金とは未約定の注文に係る証拠金のことで、取引所によっては純資産に含むこともあります。
具体的に数字を当てはめて考えてみましょう。
レバレッジ倍率が2倍の場合、1BTCが10,000,000円に必要な証拠金は5,000,000円です。
純資産は10,000,0000円のユーザーが新規に1BTC買い注文したとすると、以下の通りに計算されます。
[純資産総額÷必要証拠金×100]
[10,000,000÷5,000,000×100=200%]
このケースにおいて「-注文証拠金」は約定済のため「-0」になります。
この時、200%が証拠金維持率となります。
なお、レバレッジ取引においてスプレッドが広がっている場合(流動性が低くて売り買いの人数が少ない)、預託証拠金残高の多くを必要証拠金とするような取引は、新規注文が約定した直後にロスカットが発動することがあります。これも注意しておきたいことのひとつです。
ロスカットになるケース
DMM Bitcoinでは、毎営業日の午前6:59時点で証拠金維持率が100%を下回った場合、追加証拠金制度(通称:追証)の対象と判定され、翌午前4:59までに証拠金不足を解消しない場合、強制的に決済が行われるロスカットの対象になります。
このように、証拠金維持率が100%を下回った場合には、今後の取引をどのようにするか考える必要が出てきますが、証拠金維持率が50%を下回った場合は、通知なく強制ロスカットが発生します。
証拠金維持率が50%を下回ってロスカットになるケースをイメージしてみましょう。
まず、現在の1BTCが1000万円で、純資産(入金額)が1000万円だとします。
現物取引で1.6BTCを購入する場合は、1600万円の資金が必要です。しかし、レバレッジ2倍の取引を行うため、800万円の証拠金でポジションを建てることが可能です。
そして、この場合の証拠金維持率は純資産1000万円 ÷ 必要証拠金800万円×100=125%と計算されます。
しかし、1BTCが625万円に下がり、保有していた1600万円相当のBTCが1000万円になった場合はどうなるでしょうか?
この場合の証拠金維持率は、(純資産1000万円-評価損益600万円)÷ポジション証拠金800万円×100=50%となり、強制ロスカットが発生します。
実際の取引では、スプレッドなどの要因によってこれまでの計算の数値が変化します。証拠金維持率には常に注意しておく必要があります。
まとめ
ロスカットは、ある限度まで含み損が拡大している時に、強制的に暗号資産取引所が決済する制度です。顧客を守ると同時に、損失を確定させる制度であることも忘れないようにしましょう。
DMM Bitcoinでは、証拠金維持率が50%以下の場合ロスカットが発動するようになっています。お客様が大きな損失を被らずに安心して取引をしていただくために、維持率を高めに設定したロスカットルールとなっています。
※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。
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