ビットコインのロスカットとは?

ビットコイン
ロスカット
2018-09-26 更新

ビットコインなどの仮想通貨取引において、価格が大きく変動した時にレバレッジを利かせているとロスカットが行われることがあります。ロスカットとは、あらかじめ決められた損失に到達した場合に、それ以上の損失が起きないように仮想通貨交換業者などが強制的に決済することを指します。ただし、現物取引(その時の市場時価で計算された売買代金の受け渡しのことで、信用取引ではないもの)なら、ロスカットは発生しません。

決済がされてしまうと損失が確定したことになります。ここではビットコインなどの仮想通貨に関するロスカットの仕組みや流れ、ロスカットがある理由などをご紹介します。

ロスカットとは?

ロスカットの仕組み/流れ

ロスカットとは、仮想通貨交換業者の決めた限度までポジションの含み損が大きくなった場合に、これ以上顧客の損失が拡大しないように、仮想通貨交換業者が強制的に決済する方法です。株取引などではその日の価格の上限や下限があり、ストップ高・ストップ安といった取引終了になることがありますが、FXや仮想通貨取引においてはこの方法がないのでロスカットが必要となっています。

これは顧客が元金以上に損失を被ってしまうことを防ぐという意味もあり、強制的にロスカットすることで損失を確定させてしまう仕組みです。顧客にとっては損失を増大させない方法なのですが、場合によっては損失を一方的に確定されてしまうという側面もあります。

ロスカットの流れは、顧客が保有しているポジションが一定以上の損失を発生させた場合、これ以上損失を増やさないように強制的に決済します。一定以上の損失とは、仮想通貨交換業者によっても異なります。

ビットコインなどの仮想通貨におけるロスカットの意味と役割

ビットコインなどの仮想通貨の現物取引(購入して自分のものにすること)であれば、あえてロスカットということを気にしなくてもよいでしょう。ところが証拠金(預託金のこと)を入れてレバレッジを何倍かかけて取引を行う場合、元金以上の損失が発生することもありえます。DMM Bitcoinではこのレバレッジは5倍となっています。DMM Bitcoinをはじめとした仮想通貨交換業者は、強制的にロスカットすることで顧客の損失拡大を防ぐのです。仮想通貨の取引でもレバレッジ取引があるので、利益が大きく取れる可能性があるというのは顧客にとっては魅力的です。しかしその反面、損失も大きくなる可能性があるというデメリットも存在します。また含み損(決済前の損失・計算上は損をしていること)が大きくなると強制ロスカットが発生します。このロスカットはDMM Bitcoinでは証拠金維持率80%以下となっており、これは仮想通貨交換業者によっても比率が異なります。

ビットコインなどの仮想通貨におけるロスカットの意味は通常のFX取引などに見られるレバレッジ取引と同じです。役割としては強制ロスカットを仮想通貨交換業者が行うことで、損失拡大を防いで、顧客の資産を守るための制度です。大損や想定しない借金を生まないようにするための方法です。

また、仮想通貨交換業者によっても証拠金維持率が異なります。DMM Bitcoinでは証拠金維持率は80%以下となっています。証拠金維持率は、取引口座に入金された証拠金に対するポジション(仮想通貨を持っている状態)が必要とする証拠金の比率を指します。

この証拠金維持率が高い場合は、レバレッジの基準も小さくなります。逆に言うとレバレッジの基準が大きいなら、証拠金維持率は低くなりますが、それだけリスクも高くなる(大胆な取引が可能になる)ということになります。

ロスカットの基準は各社によって異なりますが、これは証拠金維持率を確認することでわかります。ロスカットの基準計算とは、口座の資金と含み益(これらを足して有効証拠金と言います)を取引に使っている資金(取引証拠金)で割ったものです。

たとえばDMM Bitcoinのレバレッジ5倍で考えてみましょう。口座に10万円を入金したとします。その中で5万円を使って、25万円のビットコインを購入したとします。この時、証拠金維持率は10÷5×100=200%です。さらに25万円分のビットコインが20万になった場合、含み損が5万円となり、(10-5)÷5×100=100%となります。DMM Bitcoinの証拠金維持率は80%以下なのでまだロスカットにはなりませんが、今後の取引をどのようにするか、考える必要が出てきます。

少し具体的に説明しましたが、実際にはどのようなケースにおいてロスカットは発生するのでしょうか。以下に例をあげてみました。

ロスカットになるケース例

ロスカットとは、損失が大きくなった場合に保有するポジションを強制的に決済することです。実際にロスカットになるケースというのはどのような場合なのでしょうか。ここではその具体例についてご紹介します。

DMM Bitcoinでの例で考えてみましょう。仮に、現在の1BTCのレートが100万円で、レバレッジ5倍と計算すると、1BTCあたりのポジション証拠金は20万円になります。また仮に純資産額(入金額)が35万だとします。

注文証拠金が10万円の場合は、(純資産35万-注文証拠金10万)÷ポジション証拠金20万×100=125%となります。しかし1BTCのレートが121,597円下落した場合はどうなるでしょうか?

現在のレートは878,403円となり、1BTCあたりのポジション必要証拠金は175,681円(878,403円÷レバレッジ5倍)となります。注文証拠金は87,841円、ポジション必要証拠金は175,681円となり、先ほどの計算式にしてみると、(228,403-87,841)÷175,681×100=80%となります(すでに純資産は121,507円損益したという計算です)。

この時、証拠金維持率が80%以下になるとDMM Bitcoinでは注文証拠金は取り消しとなり、証拠金維持率は130%まで回復するようになっています。再度80%になった場合、はじめてロスカットされます。

なぜロスカットが起こるのか?

ビットコインなどの仮想通貨取引において、なぜロスカットがあるのでしょうか。仮想通貨交換業者は損失を被ることはありませんが、実は利用者を守るためにもロスカットが存在します。これには大きな理由があります。その理由を次に具体例をあげて説明します。

たとえば、資金として20万円をビットコインに投資したとします。この20万円を使ってレバレッジ5倍の100万円分買ったとします。投資した時はビットコイン価格がさほど下落しておらず、問題がないように見えました。

ところが、なんらかの事情でビットコイン価格が徐々に下落して、総額が90万円になったとします。この時は10万円の損失となり、投資した資金から引かれますが実際は決済していないので本当の損失にはなりません。ただし計算上は損になります。これはいわゆる含み損という扱いになります。含み損とは決済前(売買確定させる前)に損失が出ることを言います。

そして、またビットコインの価格が下落し、総額が60万円になってしまった場合、当初100万円分の価値があったものが40%も下がり、損失合計が40万円になります。この場合、当初は20万円しか投資していないので、20万円分借金することになります。

レバレッジはもともと手元資金の何倍も投資することが可能です。このようにビットコイン価格が下落してしまうと、損をするだけでなく借金をすることになってしまいます。これが大きな金額だとどうなるでしょうか。

仮想通貨交換業者は利用者がこのような取引で借金が膨大になるのを防ぐために、取引を終了させる制度を作りました。それがロスカットという方法です。

ロスカットと証拠金の関係性について

ロスカットの仕組みについてご紹介しましたが、ロスカットはある限度までポジションの含み損が大きくなった場合、これ以上の損失を生まないために仮想通貨交換業者が強制的に決済する制度です。投資する金額が、手元に用意した資金だけなら、投資金額以上に損をするイメージがあまりないかもしれません。

ところが、レバレッジという手元資金の何倍もの金額を投資することができる場合、ビットコインが下落してしまうと損も拡大します。逆に価格が急騰すれば利益も増大します。

これこそがレバレッジ取引の醍醐味ですが、その取引を行うには証拠金を用意する必要があります。ここではその証拠金と維持率、ロスカットとの関係性、維持率計算法や注意点についてご紹介します。特にビットコインのレバレッジ取引は証拠金の扱いが仮想通貨交換業者によっても違いますので注意が必要です。

証拠金とは?

証拠金はFXでも聞いたことがある方もいるでしょう。これはビットコインなどの仮想通貨やビットコインFXなど行う時に仮想通貨交換業者に預ける預託金を指します。レバレッジ取引を行う場合は、証拠金を仮想通貨交換業者に預けなければなりません。

仮に1BTC(ビットコインの単位)が10万円であれば、10万円で購入すれば現物取引が成立(購入して自分のものにしておく)するために証拠金という考え方はありません。しかし10万円を元手にして50万円の取引を行いたいという場合に証拠金が必要になります。

これは証拠金を預けることで、その元手以上の取引ができるようになる仕組みです。DMM Bitcoinでは、50万円の取引を行いたい場合は10万円を用意すれば取引ができます。そして、仮に損失が発生しても損失分は証拠金から徴収されます。

この証拠金は担保としての意味があり、その額は仮想通貨交換業者によっても異なります。また証拠金維持率も仮想通貨交換業者によって違うので、仮想通貨交換業者ごとのルールをしっかり理解しておく必要があります。

証拠金維持率の概要

証拠金維持率とは、必要証拠金に対して占める純資産額割合のことを指します。この純資産とは、証拠金から含み損と含み益を足したものになります。

維持率計算方法

維持率は以下のように計算します。
[(純資産総額―注文証拠金)]÷ポジション必要証拠金×100

具体的に数字を当てはめて考えてみましょう。
1BTCが1,000,000円、DMM Bitcoinではレバレッジ5倍なのでポジションに必要な必要証拠金は200,000円です。
また新規に0.5BTC買い注文したとすると、以下の通りに計算されます。
[(純資産総額―注文証拠金)]÷必要証拠金×100
[(350,000―100,000)]÷200,000×100=125%

この時、125%が証拠金維持率となります。

注意点

ロスカットはロスカットレベルというものがあります。これはどの時点でロスカットが発生するかということを表すタイミングのことです。これは各仮想通貨交換業者によってもかなりの違いがあります。DMM Bitcoinでは、証拠金維持率は80%以下になった時にロスカットが行われます。

証拠金維持率が大きいほどロスカットにつながりやすく、逆に低ければロスカットされにくいということになります。ロスカットになりやすい仮想通貨交換業者だと、自分の損失は早めに確定することができるので、損失が大きくなりにくいというメリットがあります。

またDMM Bitcoinでは、このロスカットルールが非常に厳格になっています。それはレバレッジ取引を安心して行っていただき、一定の水準以上に損失が発生した場合に、それ以上損失が拡大しないように考えられています。

レバレッジ取引では、損失が発生するだけでなく、預託された証拠金すべてだけでなく、追加の損金を支払わなくなるケースもあります。しかしDMM Bitcoinでは、損失額が一定の水準(証拠金維持率が80%以下)に達した時点で、強制的に保有ポジションすべてを決済するルールになっています。

これは最低限の資金は温存される仕組みですが、相場状況等により預託された証拠金以上の損失も発生する場合があります。

ロスカットをできるだけ避けたい場合、含み損が拡大している時に損切りしてしまうというのも、損失を大きくしない方法です。損が膨らまないように事前に決済することです。自分でロスカット前に損失確定をするのは勇気が要ることですが、損失を最小限にするためにもロスカット前の損切りは必要です。

そして、追証という制度もあります。これは追加証拠金という意味です。ロスカットが間に合わない、証拠金の額をはるかに上回る損失が出た場合、不足している金額を追加するという方法です。

最後に、DMM Bitcoinでは、レバレッジ取引においてスプレッドが広がっている場合(流動性が低くて売り買いの人数が少ない)、預託証拠金残高の多くを必要証拠金とするような取引は、新規注文が約定した直後にロスカットが発動することがあります。これは最も注意しておきたいことと言えます。

まとめ

ロスカットは、ある限度まで含み損が拡大している時に、強制的に仮想通貨交換業者が決済する制度です。顧客を守ると同時に、損失確定をする制度であることも忘れないようにしてください。
DMM Bitcoinでは、証拠金維持率が80%以下の場合ロスカットが発動するようになっています。お客様が大きな損失を被らずに安心して取引をしていただくために、維持率を高めに設定したロスカットルールとなっています。

レバレッジ取引に興味を持たれた方は「ビットコインのレバレッジ取引とは?注意すべきポイントを解説」もご参照ください。

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