モナコインとビットコイン、その違いを比較!
モナコイン(MONA)は、日本で誕生した暗号資産(仮想通貨)です。匿名掲示板サイトの「2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)」で公開され、名前の由来は2ちゃんねるで有名なアスキーアートの「モナー」です。日本発の暗号資産ということで、モナコインは日本で活発に取引されている暗号資産の1つです。
今回はモナコインと代表的な暗号資産であるビットコインとを比較しつつ、モナコインの特徴や魅力を整理していきます。
★参考コラム: モナコインの買い方、投資方法・オススメの入手方法は?
モナコインとは?
まずモナコインの概要について説明していきましょう。モナコインは日本で初めて生まれた暗号資産です。2ちゃんねるを象徴するアスキーアートのキャラクターであるモナーから名称を取っています。2チャンネル内のソフトウェア板でアイデアが示され、2013年12月にテスト版が公開、2014年1月1日に正式に公開されました。開発者は「Mr.Watanabe」を名乗っていましたが、その素性は明らかになっていません。
モナコインはライトコイン(LTC)をベースにして開発された暗号資産です。ビットコインやライトコインと同じプルーフ・オブ・ワーク(PoW)のコンセンサスアルゴリズムが採用されており、マイニングされることで暗号資産が採掘されます。
2ちゃんねるから生まれたモナコインは、誕生当初からコミュニティによる開発が活発に行われました。たとえば、モナコインで買い物ができるサイトや、相手への評価や感謝に使うための「投げ銭」として利用できるサービスなどが次々とリリースされていきます。さらにはウェブだけに留まらず、秋葉原の実店舗ではモナコインで支払いが行える店舗も登場するなど、リアルの世界でも利用されるようになっていきます。コミュニティの参加者たちが自分の専門知識や技術を面白がりながら提供するという2ちゃんねるのノリが、モナコインの盛り上がりを支えていました。
モナコインが使われているサービスの1つが「Monappy」です。Monappyはモナコイン専用のウォレットサービス兼ポータルサイトです。Monappyではモナコインを管理し、送金や受け取りを行うことができます。またMonappyではイラストや記事の投稿サービスがあり、ユーザーはイラストや記事を投稿するだけでなく、気に入ったコンテンツに対してモナコインで投げ銭をすることもできます。
★参考コラム: モナコインもマイニング(採掘)で獲得できる!? その特徴を紹介
モナコインとビットコインの違い
ここではモナコインとビットコインとの違いを比較することで、モナコインの特徴についてみていきましょう。
主な利用用途の違い
ビットコインの主な用途は、決済として始まりました。ビットコインの考案者であるサトシ・ナカモトが書いたホワイトペーパーでは「P2P 電子通貨システム」と呼ばれ、仲介者無しの利用者同士のオンライン決済手段として提唱されました。しかし、その後、ビットコインのボラティリティの高さから、決済手段としてではなく、価値の保存手段としての側面が強くなっていきます。「デジタルゴールド」と呼ばれるように金に代わる資産ともみられるようになっています。
一方のモナコインは、「2ちゃんねる」というコミュニティから生まれた暗号資産です。徐々に投機的な使われ方をしていったビットコインとは異なり、ユーザーによる様々なサービス開発や投げ銭などに使われ、日本のカルチャーやコンテンツとの関連の中で実利用を想定したものとなっています。前述のようにMonappyを通じたコンテンツへの投げ銭やモノの購入、ユーザー同士の送付に使われています。「AskMona 3.0」という掲示板では、普通の掲示板のように投稿したりするほか、投稿に対してモナコインを渡すこともできます。
このような決済手段として使われるモナコインとビットコインを比較するポイントとして、総発行枚数の違いにも触れておきましょう。ビットコインの総発行枚数は2100万BTCとなっていますが、モナコインは1億512万MONAとなっています。発行枚数で約5倍の違いがあります。これほど発行枚数が多いことで、実用的な決済手段として使う余地があるといえるでしょう。
さらにブロック生成時間については、ビットコインが10分間である一方で、モナコインは90秒となっています。それだけ決済が完了する時間がより短くなることになります。この面でも決済手段としての実用性の高さがうかがえます。
新しい技術を貪欲に取り込んでいったモナコイン
ビットコインが開発されたのは、2009年です。一方で、モナコインが開発されたのは、2014年です。ビットコインの方が5年ほど早く生まれています。しかし、それでもモナコインは積極的に新しい技術を取り込んできました。
たとえば、「Segwit(セグウィット)」の導入です。Segwitは、もともとビットコインのスケーラビリティ問題を解決するための技術として提案されたものです。トランザクションの構造を変えることで、1ブロックに含まれるトランザクションの容量を圧縮する方法です。これにより処理速度が速くなることが期待されています。
モナコインはこのSegwitの技術をビットコインよりも早く、世界で初めて実装を完了させました。モナコインは2017年4月にSegwitの実装を承認し、アクティベートを完了。その後、ビットコインは2017年8月にSegwitを実装することになりました(余談ですが、この実装はビットコインコミュニティの中で議論を呼ぶことになり、ビットコインキャッシュの誕生につながることになりました)。
日本発の暗号資産
ビットコインとの大きな違いの1つは、モナコインが日本発であるという点でしょう。ビットコインはサトシ・ナカモトという日本人名が考案者ですが、その開発はグローバルで無国籍なものです。実際、ビットコインの取引や利用は世界各国で広がっています。
モナコインは日本のインターネット文化が発祥です。開発や利用のコミュニティは日本が中心であり、取引高の9割以上は日本の取引所で行われています。
ローカルな暗号資産であることは決してマイナスではなく、日本的なカルチャーが根底にあることがモナコインの強みといえるでしょう。かわいいネコのキャラクターであるモナーを冠し、モナコインをモチーフにした女の子のキャラクターが作られ、モナコイン「神社」まである暗号資産はほかにはないでしょう。このようなソフトパワー的な部分も魅力の一部となっています。
ビットコインもモナコインも中央集権的な主体がいるわけではなく、コミュニティの有志による開発です。その場合、コミュニティの強さこそが暗号資産としての強さともなるでしょう。日本の開発者中心のモナコインはコミュニティの強さにつながり、迅速な意思決定につながっています。
★参考コラム: 管理・買い物に必須、モナコイン用ウォレットを紹介!
日本発で日本での人気が高いモナコイン
日本発祥の暗号資産であるモナコインは、日本の暗号資産市場において、大きな存在感を持っています。
日本暗号資産取引業協会(JVCEA)がまとめた統計によると、日本国内の暗号資産現物取引高の上位の銘柄の中にモナコインが入っています。2020年のデータを見ると、2月と3月はモナコインが取引高では第3位となっており、イーサリアムやビットコインキャッシュ、ライトコインといった著名な暗号資産よりも取引高が大きいものとなっています。
世界の暗号資産のデータを集めたCoinMarketCapでは、モナコインの時価総額は95位となっていますが、そのモナコインがイーサリアム(時価総額2位)やビットコインキャッシュ(同5位)よりも取引高が多いわけです。日本でのモナコインの人気のほどがわかるでしょう。
また保有額(2020年4月時点)でみると、モナコインは第5位で81億4300万円となっており、ビットコイン、XRP、イーサリアム、ビットコインキャッシュに次ぐポジションとなっています。モナコインはもともとライトコインをベースにして開発されたわけですが、元祖であるはずのライトコインよりも日本国内での保有額は多いのです。
もちろん、日本発の暗号資産はほかにもあるわけですが、このような高い取引高・保有高とはなっていません。それだけ、日本においてはモナコインの注目度が高いことがわかるでしょう。
DMM Bitcoinでレバレッジ取引が可能なモナコイン
DMM Bitcoinでは、現物取引ではモナコインを扱っていませんが、2020年2月29日よりレバレッジ取引でモナコインの取り扱いを開始しています。DMM Bitcoinのレバレッジ取引では、モナコイン(MONA)の他にも、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ベーシックアテンショントークン(BAT)、クアンタム(QTUM)、ステラルーメン(XLM)、ネム(XEM)、ライトコイン(LTC)、イーサクラシック(ETC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、を取り扱っています。
レバレッジ取引とは?
レバレッジ取引とは、一定額の資金(証拠金)を担保として、証拠金より大きな金額の取引を行う方法のことです。例えば、現物取引の場合は、手元資金が10万円なら最大10万円分の取引しかできません。しかし、最大倍率4倍(2021年4月28日以降は2倍)のレバレッジ取引であれば、10万円の証拠金を預け入れることで、最大40万円まで取引できます。また、証拠金は損失時の決済に備えるもので、相場の急変などで損失が大きくなると、証拠金が損失補填のために使われる場合があるのです。
DMM Bitcoinのレバレッジ取引では現物取引とは異なり、取引ごとの現物暗号資産の受け渡しは行われません。代わりに、暗号資産の売買(新規注文と決済注文)を行い、その差額の現金(日本円)のみを決済時に受け渡す「差金決済」が採用されています。従って、モナコインを直接入手・保有することなく、利益を得られる可能性があるのです。
レバレッジ取引の注意点・リスク
レバレッジ取引の場合、わずかな価格変動でも損失が膨らむ危険性があり、証拠金の金額を超える損失が生じるリスクもあります。必ず余剰資金の範囲内で取引を行いましょう。
また、暗号資産の価格自体が変動の度合い(ボラティリティ)が大きく、暴騰または急落する可能性があります。株式市場とは異なり、暗号資産取引にはストップ高・ストップ安といった仕組みもないため、価格の上昇または下落が続く可能性も覚えておきましょう。この点は、資産形成の上でメリットであると同時にリスクにもなっています。
まとめ
モナコインの魅力や特徴をビットコインと比較しながら見てきました。
モナコインは、ビットコインよりもより実用的な利用を想定した暗号資産です。投げ銭を中心として様々なサービスが準備されています。また日本のコミュニティ中心であり、新たな技術の導入に関して迅速に対応でき、Segwitを世界初で実装することができました。日本のカルチャーに根差した点も魅力です。
実際に日本国内ではモナコインは活発な取引が行われ、保有額の面でも大きな存在感があります。日本の暗号資産投資家にとって、ビットコインやXRPと並び、代表的な暗号資産としての地位を占めています。
モナコインの取引につきましては「モナコインの買い方、投資方法・オススメの入手方法は?」に詳しく記載されていますので、興味を持たれた方はご覧ください。
※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。
関連記事
-
ユーティリティトークンとは?特徴や機能、事例を解説
暗号資産(仮想通貨)に関連して、「〇〇トークン」という用語を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?本記事では、トークンの概要を紹介した上で、ユーティリティトークンについて解説していきます。
-
ライトコイン(LTC)とは?初心者向けにわかりやすく解説!
ライトコイン(LTC)は、ベースとなったビットコインよりも決済が行いやすくなるように様々な工夫がなされています。本記事では、これまでのライトコインの開発や価格推移などを含め、特徴を解説していきます。
-
暗号資産(仮想通貨)のハードフォークとは?基礎知識や過去の事例を紹介
暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン界隈では時々、「ハードフォーク」という事象がニュースになることがあります。本記事では、過去に起きた事例と共にハードフォークの実態について解説します。
-
初心者でも簡単にパソコンやスマホで取引できる!ビットコインの買い方
ビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)の取引を行うためには「暗号資産交換業者」を選ばなければいけません。今回は、暗号資産交換業者を通じたビットコインの購入方法や、手数料・取引単位について見ていきましょう。
-
ステラルーメン(XLM)とはどんな暗号資産(仮想通貨)?特徴を解説
2019年以降、日本の暗号資産(仮想通貨)交換業者でもステラルーメン(XLM)の取り扱いが始まりました。本記事では、ステラルーメンがどのような暗号資産なのか解説します。
-
DAppsとは何か?その仕組みや特徴を解説
DApps(ダップス)とは、ブロックチェーン上でスマートコントラクトを利用することで実現できるアプリケーションです。本稿ではそのDAppsについての概要を解説します。
-
アルトコイン(オルトコイン)とは?知名度の高いコインの特徴や価格を紹介!
ビットコイン(BTC)以外の仮想通貨のことをアルトコインと呼び、2021年11月現在で、世界に約6,800種類以上も存在しています。アルトコインがどんなもので、どんなメリットやデメリットがあるのかを見ていきましょう。
-
イーサリアム現物ETFとは?ETH価格への影響は?
「イーサリアム現物ETF」は、イーサリアム(ETH)の現物資産を基にした上場投資信託(ETF)です。この記事ではイーサリアム現物ETFとは何か、ETH価格への影響について検討していきます。
今、仮想通貨を始めるなら
DMMビットコイン