暗号資産(仮想通貨)BATの今後と次世代ブラウザ「ブレイブ」

ベーシックアテンショントークン
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2023-06-28 更新

広告ブロック機能を持つウェブブラウザ「ブレイブ」とネイティブトークンであるBAT(ベーシックアテンショントークン)が日本で盛り上がりを見せています。

広告を見れば報酬としてBATがもらえる仕組みを提供するブレイブは、ネット広告表示に煩わしさを感じるユーザーの間で人気を博しています。日本では2020年春頃から安全性等について一定の評価を得ている暗号資産(仮想通貨)としてホワイトリスト化され、DMM Bitcoinや他の暗号資産交換業者で上場しています。

本コラムでは、人気急上昇中の暗号資産BATやBATを使う次世代型ブラウザ「ブレイブ」の仕組み、2023年以降の計画について解説します。

広告ブロックが搭載されたブラウザ「ブレイブ」と暗号資産(仮想通貨)BAT

ブレイブは、ウェブページに表示される広告を最初からブロックした状態でユーザーに提供されており、表示するかしないかをユーザー自身が選択できるウェブブラウザです。ブレイブは通常のウェブ広告をブロックする代わりに独自の「プライベート広告」を用意しています。このプライベート広告を閲覧すると、ユーザーは広告を表示にすることの対価として、BATというブレイブのネイティブトークンを広告単価の70%で獲得できる仕組みになっています。

ブレイブによると、ウェブ広告はデータ通信がユーザーの同意なしで行われることでページ速度の遅延を起こしたり、バッテリーを消耗させたりしてしまうといいます。こうした問題に対処するブレイブのプライベート広告は、ターゲティング広告のようにアクセスデータを取得せずに提供され、ユーザーのプライバシーを保護しながら高速なブラウジングを可能にしています。

2018年3月に発表されたブレイブのホワイトペーパーによると、当時はスマホ向けの広告が「平均的なユーザーのデータプランに対して1月あたり23ドル(約2,450円)余分なデータ料金を課金し、ページ速度を遅延させて、バッテリーの寿命を21%減少させる」という不幸な結果をもたらしていると主張し、次のように続けました。

「出版側は売り上げの減少に直面し、ユーザーは裏切られ続け、そして広告主は効果を図る能力をなくしている。解決策は、ブロックチェーンに基づいた分散型で透明性の高いデジタル広告交換だ」

その上でブレイブは、自らが「第3者の広告や追跡者をブロックし、ユーザーの注目度を測って広告主に報酬を与える台帳システムを構築する」と宣言。BATについては、「分散型広告交換のためのトークン」とし、「プライバシーを保護する一方で、注目してくれた(すなわちアテンションをくれた)ユーザーに報いる」と説明しました。

要約すると、ブレイブは、ユーザーにとってはプライバシーの保護と広告閲覧による報酬を、出版元に対してはマネタイズの機会を、そして広告主にはより高いコンバージョン率をもたらすことを狙ったブラウザになります。

年々倍増するユーザー数

プライバシーへの懸念が世界中で高まる中で、ブレイブの利用者数は増加していることがデータで示されています。

ダウンロード数で見ると、2021年にブレイブは1000万件以上だったそうです。これは2021年で最も成長したブラウザであるとのことです。さらに広告収益も1年で4倍増になり、広告を閲覧してBATを獲得したユーザーは800万人以上になるなど、普及が進んでいることがわかります。

ダウンロード数の増加に合わせて、実際に利用ユーザーも増えています。インターネットブラウザであるブレイブは、毎年ユーザー数が発表されています。

特に月間アクティブユーザー(MAU)は2021年まで5年連続で毎年倍増していました。2021年12月には5000万MAUを超えています。ある調査によると、ブラウザシェアトップのグーグルクローム(Google Chrome)は、2022年4月時点でユーザー数が約34億人であるため、今後も大きな伸び代がありそうです。一方で、ブレイブのMAUは2022年7月に記録した6,200万MAUから伸び悩みを見せており、2023年1月現在では5,480万ユーザーと、やや減少傾向にあるようです。

しかし、1日あたりのアクティブユーザーは微増していることを考えると、注目されていないわけではありません。ブレイブは広告から収益を得ているため、発展するにはユーザー数の増加が不可欠です。今後は定着するユーザーを増やしていけるかが課題になりそうです。

有名ブランドとの提携や新機能追加

ブレイブは、米国の大手企業との連携を強化しています。今後の発展を考える上で、企業側からの注目も重要です。

ブレイブの広告キャンペーン数は2020年5月に1,530回を記録していたのが、2023年3月現在は7,500以上のキャンペーンが行われるほど活発化しています。有名企業も多く参加しており、例えば、アマゾンやインテル、トヨタ、ペイパル、ベライゾンなどが名を連ねています。広告キャンペーンの増加や大手企業の参加は、ユーザー数が増加する期待感の表れと捉えられそうです。

この他、ブレイブは様々な付加価値を提案、新機能を発表しています。

2019年8月にはツイッターで「個人のコンテンツクリエーター」に対してBATでチップを支払えるようになったと発表しました。2020年3月には、BATがアマゾンやアップル、ウォルマートなどのギフトカードと交換が可能になったことも明らかにしています。新型コロナウイルスが蔓延する中、2021年9月には「Brave Talk」というビデオ会議機能を正式にローンチしました。

さらには2023年3月には独自検索エンジンである「Brave Search」に人工知能(AI)を搭載しました。2022年12月にリリースされたChatGPTなどの人工知能チャットボットが注目される中、独自に開発を行い、検索結果ページに簡潔で要点を押さえた回答がまとまって表示されるようになりました。検索結果に表示されるスニペット(記事に含まれる検索箇所の内容)をAIによる要約に置き換えることが可能です。

2023年以降は、AIを搭載した新機能が追加されることが期待できそうです。

ブレイブやBATの今後はどうなる?

2023年3月に発表された今後のロードマップによると、NFTや広告、報酬プログラム、支払い、ゲームに力を入れることを表明しています。特にNFTと広告が注力分野になりそうです。

NFTをBATで取引可能に

ブレイブは2023年に注力する分野としてNFTを先頭に挙げています。2022年にNFTコレクションを発表した際に好評だったことを受けて、クリエイターコミュニティとの連携を強化することを打ち出しました。2023年は著名なNFTクリエイターやコミュニティをBATコミュニティと引き合わせていくとしています。

クリエイターとの連携によって、2023年中にBATでNFTを取引できるようにするとのことです。BATの利用機会が増えることによって、価格の押し上げ圧力につながるかもしれません。

広告での報酬機会の増加

これまでの広告表示による報酬獲得に加えて、ブレイブの検索エンジンであるBrave Search Adsでの検索でも広告の表示有無で報酬機会が増えることになります。機会が増えることでユーザーが集まり、BATの人気上昇やユーザー獲得を狙う企業とのコラボレーションにも影響しそうです。

さらにNFTに関しても広告パートナーと連携を強化します。

2023年は広告のほかにも、ゲーム会社とのコラボレーションや、オンラインミートアップ、イベントなどを継続して行なっていくとしています。

ユーザー基盤が重要となるブレイブが、こうしたコミュニティの醸成に成功すれば、BATの価格にも影響が出てくるかもしれません。

プライバシーに関する今後

ブレイブの大きな特徴は、プライバシーの保護にあります。同社はユーザー、出版元、広告主にとっての利益面でのメリットだけではなく、ユーザーのプライバシーの保護を目指すと強調しています。

2022年に入って、グーグルやアップルなど、大手テック企業が相次いでプライバシー保護機能を強調しました。グーグルは各種サービスに保存されているプライバシー情報を広告に使用することはないと説明し、アップルもネット広告企業が個人情報の追跡にユーザーの同意を必須とする機能を追加しています。消費者が個人情報を自ら管理する機運が高まっていますが、ブレイブはこれを先駆けて、広告を表示するために、検索クエリや国、デバイスのみを使用し、個人情報を保存しない仕様をブラウザで実現してきました。

プライバシーに関する機運が高まるにつれて、よりブレイブを利用するユーザーが増えるかもしれません。今後のデジタル社会に関するプライバシーのニュースに注目しましょう。

IPFSを統合した始めてのブラウザに

ブレイブは「分散型ブラウザ」と呼ばれることがあります。

それを象徴するのが、分散型ファイルシステムである「IPFS」の統合です。ブレイブは2021年1月、ウェブサイトで主流となっている「http://」だけでなく、「ipfs://」にもアクセスできるようになったと発表しました。

IPFSは、世界のどこかのサーバーにデータを保存されているのではなく、分散的にデータを保存するP2P方式に転換しようとする試みです。

IPFSのプロジェクトリーダーであるモリー・マッキンリー氏によると、中国などで実施されるインターネットの検閲や、トルコでのソーシャルメディア遮断といったことが起こらないとのことです。

プライバシーの動きについて、大手テック企業が追随したように、ブラウザの分散化についても、今後、他企業が続く動きになるかもしれません。

まとめ

ブレイブとBATは、今後の普及に向けて着々と足場を固め始めています。

ブレイブは2023年に入って、AI機能の追加やNFTへ注力することを発表するなど、時代の潮流に合わせた機能を組み込んでいます。世界各国でプライバシーへの機運が高まる中で、ブレイブは今後も成長を続けられるかもしれません。

プライバシーの懸念が高まれば、ブレイブの需要が高まることが予想されます。対して、グーグルなどの大手テック企業もプライバシーへの懸念に対応を始めており、プライバシーに関する競争は激化しています。今後の動きに期待です。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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