暗号資産(仮想通貨)FXとは?レバレッジ取引との違いを解説
ビットコイン(BTC)や暗号資産(仮想通貨)取引でFX、レバレッジ取引という言葉が使われることがあります。この、FXやレバレッジ取引という言葉は暗号資産取引において、しばしば混同されています。
そこで本稿では、FX(外国為替証拠金取引)と暗号資産のレバレッジ取引との違いや、レバレッジ取引の特徴や注意点を分かりやすく解説していきます。既にFXや暗号資産取引を行っているけど、そういえば良く分かっていなかった、という方もあらためて理解しましょう。
暗号資産(仮想通貨)FX・ビットコインFXとは?
FXとは「Foreign Exchange」の略語であり、日本語では「外国為替証拠金取引」と訳される例が一般的です。日本語にすると分かりますが、FXはビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)およびその取引に関する用語ではありません。
暗号資産取引におけるFXの実態は、正しくは「暗号資産証拠金取引」といいます。FXのようにレバレッジをかけて取引をすることができるため、「レバレッジ取引」というサービス名が使われることもあります。「ビットコインや暗号資産のFX」という記述を見かけた時は、「ビットコインのレバレッジ取引(証拠金取引)」を指しているという理解で問題ありません。
暗号資産取引を始めたばかりの方や、これから始めようとしている方は、ビットコインや暗号資産のレバレッジ取引について、本来のFX(外国為替証拠金取引)と誤解しないよう気を付けましょう。自分の資産を適切に運用し守るためにも、正しい知識を身に付けておきたいところです。
FX | Foreign Exchange(外国為替)の略称で一般的には「外国為替証拠金取引」を指す。 |
---|---|
暗号資産FX | 暗号資産証拠金取引のこと。本来のFXは外国為替取引を意味するが、暗号資産FXは暗号資産を取引対象にしたレバレッジ取引(証拠金取引)のこと。 |
レバレッジ取引 (証拠金取引) |
少ない資金で大きな金額を取引できる仕組みのこと。暗号資産レバレッジ取引では、損失時の決済に備えて、暗号資産交換業者に預けた資金を担保にすることでレバレッジ取引が可能になる。 |
ここからは、ビットコインや暗号資産のレバレッジ取引について説明していきましょう。
ビットコインや暗号資産(仮想通貨)の「レバレッジ取引」とは?
レバレッジ取引は、損失時の決済に備えて、任意の額の資金(証拠金)を担保として預け入れることで、手元資金よりも大きな金額の取引ができることをいいます。証拠金を使用した取引であるため、「証拠金取引」と呼ばれることもあります。暗号資産の取引方法では、このレバレッジ取引の他に、投資金額がそのまま取引額となる現物取引があります。
現物取引では投資金額が取引ごとに受け渡されます。しかし、レバレッジ取引では取引ごとに現物(=暗号資産)の受け渡しは行なわれません。その代わりに、暗号資産の売買は新規注文と決済注文のセットで行われ、新規注文と決済注文の”差額の現金(日本円)のみ”を決済時に受け渡す”という「差金決済取引」が行われています。
また、差金決済では、取引の際に取引金額を全額用意する必要がありません。ただし、損失が生じた場合でも決済できるように、取引サービスを提供している暗号資産交換業者に対して証拠金を預け入れる必要があります。
証拠金という仕組みによって、顧客は預け入れた金額以上の取引が可能となっており、これがレバレッジ効果と呼ばれ(「レバレッジ」は、日本語で「てこ」の意味)、それを利用した取引が「レバレッジ取引」といわれます。
例えば10万円の資金がある場合
現物取引とレバレッジ取引の違いを簡単に説明しておきましょう。まず、10万円の手元資金があると仮定します。この場合、現物取引では10万円分までの取引しかできません。一方レバレッジ取引であれば、証拠金を暗号資産交換業者に預け入れることで、レバレッジ倍率分(暗号資産の場合は最大2倍)の金額まで取引ができるようになります。例えばDMM Bitcoinに10万円の証拠金を預け入れることで、最大20万円分のレバレッジ取引が可能になるのです。
レバレッジ取引は、「空売り」から可能!値動きはチャートで確認しよう
レバレッジ取引の注目ポイントは、差金決済や手元資金以上の金額を取引できる点だけではありません。もうひとつ現物取引にはない取引方法が選択できます。それが「空売り」(ショート)です。空売りとは、新規注文の際、手元に暗号資産が無い状態で「暗号資産を借りて売る」ことを指します。空売りは証拠金を担保として預け入れているからこそ行える取引です。
当然ながら、DMM Bitcoinのレバレッジ取引においても空売りは行えます。空売りを活用できる場面の例としては、ビットコイン価格が下落傾向にある(あるいは将来的に価格が下落すると予想される)ケースが挙げられるでしょう。
レバレッジ取引では、ビットコインを保有していない状態であっても「現在の価格で売る」(新規売り)という注文を行います。そして、価格下落後に「現在の価格で買う」(買い戻し)という決済注文を入れることで、売却価格と購入価格の差額が利益になります。
仮に1BTC=500万円のときに新規売り注文を出し、相場が1BTC=470万円の時点で買い戻す決済注文を出せば、30 万円の利益となります(それぞれ1BTC分の取引を想定)。
現在の相場がどのような動きになっているかは「ビットコイン/円(BTC/JPY)のリアルタイムチャート(相場)・レート(価格)」から現在の動きを把握しておきましょう。
関連コラム:
「ビットコイン取引における「空売り」とは?レバレッジ取引も紹介」
暗号資産(仮想通貨)・レバレッジ取引の注意点とリスク
ビットコイン・暗号資産(仮想通貨)価格の下降トレンドにおいても、レバレッジ取引の空売りを活用すれば利益を上げられる可能があります。しかし、暗号資産のレバレッジ取引に関する注意点とリスクも理解しておかなければなりません。ここでは、主に価格変動要因に関する注意点を紹介していきましょう。
暗号資産(仮想通貨)市場に由来する注意点
時事問題や大規模アップデート、半減期以外にも、暗号資産(仮想通貨)という市場自体に由来する注意点もあります。前提として、暗号資産市場の規模は株式市場と比べるとまだまだ小さいのが現状です。そのため、暗号資産を大量に保有している投資家などが、短期間に大口取引を行うと価格が大きく変動する可能性があります。暗号資産の市場規模が大きくなるにつれて、このリスクは解決すると考えられていますが、2023年の段階ではまだまだ注意が必要だと考えられます。
また他の金融市場と比べて、暗号資産市場はボラティリティが高い点も特徴的だといえるでしょう。ボラティリティとは、価格変動の度合いを表す言葉です。ボラティリティの高さは、大きな利益を得られる可能性がある一方で、大きな損失が発生してしまうリスクも抱えています。
さらに、暗号資産取引には株式市場にあるような値幅制限の仕組み(ストップ高とストップ安)がありません。この点も想像以上に利益あるいは損失が大きくなる要因だといえるでしょう。
暗号資産は、株式や債券といった他の金融商品と比べて、ハイリスク・ハイリターンなのです。したがって、取引を行う際には余剰資金の範囲内に抑えておくことが肝心だといえるでしょう。
大規模アップデートや半減期で価格が変動する可能性
また、暗号資産は技術的な大規模アップデートによって、価格が大きく変動する可能性があります。アップデートの内容としては、ハードフォーク(ブロックチェーンの恒久的分岐)による暗号資産の分裂などが挙げられます。アップデート後、時間が経過すれば価格変動は落ち着いていく傾向が過去みられましたが、念のためアップデート前後の時期は価格動向に注意した方が良いでしょう。
プルーフ・オブ・ワーク(PoW)を採用する暗号資産では、マイニング(採掘)報酬が半分になる半減期にも注意が必要です。過去、2016年のビットコインの半減期前後では価格が大きく変動しています。また、2020年5月の半減期においてはすでに半減期を織り込んだ値になっていたためか、直前直後の大きな価格変動はみられませんでした。しかし、いずれにせよ、ビットコインの価格動向に関連する最新情報を日々収集しておく必要があるでしょう。
DMM Bitcoinでも、ビットコインのレバレッジ取引を行える
前述した通り、レバレッジ取引では暗号資産(仮想通貨)の受け渡しはなく、買いと売り(または売りと買い)の差額の日本円での受渡しのみが行われます。レバレッジ取引のポイントのひとつは、ビットコインや暗号資産を直接入手・保有することなく利益を得られる可能性があることです。
DMM Bitcoinのレバレッジ取引では、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、エックスアールピー(XRP)を含め、多数の暗号資産でレバレッジ取引が可能です。
まとめ
繰り返しになりますが、ビットコインや暗号資産(仮想通貨)のFXとは、正しくは「レバレッジ取引」のことを指します。FXとは「外国為替証拠金取引」のことであり、暗号資産だけの用語ではありません。
レバレッジ取引では、証拠金を暗号資産交換業者に担保を預け入れることで、より大きな金額での取引や空売り(ショート)ができます。ただし、証拠金を元手に資金を借り入れて取引を行っていること、現物ではなく差金決済、つまり値段の上げ下げによって利益あるいは損失が決定されるため、かかるリスクが現物取引よりも大きく、余剰資金の範囲内で取引を行うことが重要です。
DMM Bitcoinは、国内の暗号資産交換業者の中においてもレバレッジ取引対象は屈指の取扱い種類を誇ります。まだ暗号資産取引を行ったことがない方や現物しか行ったことがない方も投資する金額を決めた上で、レバレッジ取引を行ってみると良いかもしれません。
初めてレバレッジ取引をするという方は「ビットコインのレバレッジ取引とは?注意すべきポイントを解説」をご参照ください。
※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。
関連記事
-
ユーティリティトークンとは?特徴や機能、事例を解説
暗号資産(仮想通貨)に関連して、「〇〇トークン」という用語を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?本記事では、トークンの概要を紹介した上で、ユーティリティトークンについて解説していきます。
-
ライトコイン(LTC)とは?初心者向けにわかりやすく解説!
ライトコイン(LTC)は、ベースとなったビットコインよりも決済が行いやすくなるように様々な工夫がなされています。本記事では、これまでのライトコインの開発や価格推移などを含め、特徴を解説していきます。
-
暗号資産(仮想通貨)のハードフォークとは?基礎知識や過去の事例を紹介
暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン界隈では時々、「ハードフォーク」という事象がニュースになることがあります。本記事では、過去に起きた事例と共にハードフォークの実態について解説します。
-
初心者でも簡単にパソコンやスマホで取引できる!ビットコインの買い方
ビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)の取引を行うためには「暗号資産交換業者」を選ばなければいけません。今回は、暗号資産交換業者を通じたビットコインの購入方法や、手数料・取引単位について見ていきましょう。
-
ステラルーメン(XLM)とはどんな暗号資産(仮想通貨)?特徴を解説
2019年以降、日本の暗号資産(仮想通貨)交換業者でもステラルーメン(XLM)の取り扱いが始まりました。本記事では、ステラルーメンがどのような暗号資産なのか解説します。
-
DAppsとは何か?その仕組みや特徴を解説
DApps(ダップス)とは、ブロックチェーン上でスマートコントラクトを利用することで実現できるアプリケーションです。本稿ではそのDAppsについての概要を解説します。
-
アルトコイン(オルトコイン)とは?知名度の高いコインの特徴や価格を紹介!
ビットコイン(BTC)以外の仮想通貨のことをアルトコインと呼び、2021年11月現在で、世界に約6,800種類以上も存在しています。アルトコインがどんなもので、どんなメリットやデメリットがあるのかを見ていきましょう。
-
イーサリアム現物ETFとは?ETH価格への影響は?
「イーサリアム現物ETF」は、イーサリアム(ETH)の現物資産を基にした上場投資信託(ETF)です。この記事ではイーサリアム現物ETFとは何か、ETH価格への影響について検討していきます。
今、仮想通貨を始めるなら
DMMビットコイン