ステラルーメンの価格動向を知るには?今後や将来性は?

ステラルーメン
今後
2021-11-24 更新

ビットコインやイーサリアム、リップルと比較すると、ステラルーメンは日本では知名度が高いわけではありません。しかし、2019年秋以降、日本の暗号資産交換業者(仮想通貨交換業者)でもステラルーメンの取り扱いを始めたため、今後の価格変動が気になる方も少なくないはずです。

そこで今回は、今後のステラルーメンを考えるために知っておきたい情報を整理していきます。ステラルーメンに関する情報収集の際に見るべき情報についても、紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ステラルーメンの把握には、「ステラ」を知るべし

2014年7月31日、国際送金ソリューションを提供するリップル社の元開発者・共同創業者ジェド・マケーレブ氏が、主として個人向けの国際送金ニーズをターゲットとしたブロックチェーン・ネットワーク「ステラ」(Stellar)を立ち上げました。このステラ・ブロックチェーン上で流通する暗号資産(仮想通貨)が、「ステラルーメン」(単位:XLM)です。

ステラ・ブロックチェーンは、非営利団体の「ステラ開発財団」(SDF:Stellar Development Foundation)が開発・運営しています。ビットコインをはじめとする多くの暗号資産とは異なり、中央集権的に開発されている暗号資産・ブロックチェーンである点が特徴的だといえるでしょう。

今後のステラルーメンの価格動向に影響を与え得る要因としては、ステラ開発財団の動きや大企業との提携、ステラを利用した新サービスなどが挙げられます。ステラ開発財団のWEBサイトでは、同財団発行のニュースレターを購読できるため、ステラ関連の情報をまとめて把握するツールとして有用です。また、ステラ開発財団は、開発関連のロードマップ(工程表)を公開しており、開発の進捗具合も今後の価格を考える上で参考になります。

ステラルーメンに関する方針変更

ステラルーメンの発行上限数量は1,050億XLMで、2020年2月末時点ですべて発行し終えています。ステラルーメンはもともと、リリース時点では1,000憶XLMが上限で、毎年1%ずつ発行上限が増える仕組みを採用しており、2014年の運用開始から5年間は当初の予定通り新規発行されていました。ところが、2019年10月に行われたコミュニティ投票で新規発行を終了することになったのです。

また、2019年11月にはステラ開発財団が所有している550億XLMを焼却(バーン)しています。焼却とは、発行済みの暗号資産(仮想通貨)の数量を減らすことで、暗号資産のインフレーション(資産価値の相対的減少)を抑える手法のことです。焼却は、誰も秘密鍵を持っていないアドレスに暗号資産を送付することで行われます。コミュニティ投票による新規発行中止と焼却決定によって、ステラルーメンの価格を低く抑える要素(インフレーション機能)が取り除かれ、価値向上に寄与したといえるでしょう。

2019年の焼却によって、ステラ開発財団が所有するステラルーメンの数量は、300億XLMとなりました(すでに市場に流通しているステラルーメンは約200億XLM)。なお、同財団は今後さらなる焼却は予定しておらず、向こう数年かけて市場にステラルーメンを放出していく見込みです。

組織増強、コミュニティ構築に本格的に乗り出す

2019年以降、ステラ開発財団は組織強化やコミュニティ(エコシステム)の構築に注力しています。まず、2019年5月には、ステラ開発財団の新たなCEOとしてダネル・ディクソン氏が就任しました。ディクソン氏は、WEBブラウザの「Firefox」を開発・提供している非営利団体「モジラ財団」(Mozilla Foundation)の元COO(最高執行責任者)です。

ディクソン氏を迎えたことで、マケーレブ氏はチーフ・アーキテクトとして開発や普及活動などに専念しています。また2019年8月には、ステラに興味を持ったユーザーや開発者が情報を探しやすいように、公式サイトや開発者用のドキュメントがリニューアルされました。

2019年11月には、コミュニティ(ユーザーや開発者)との関係強化を目的としたステラ関連のイベントを初めて開催、41ヵ国・380人以上が参加しています。そして、2019年12月に公開された1年の活動を振り返る公式ブログでは、スタッフの数が11名から56名に増えたことが明らかになりました。

その他にも、ステラのWEBサイト上で、ステラ・ブロックチェーンを利用したプロジェクト(ケーススタディ)の紹介など、事業者や開発者支援を強化しており、開発者に向けた支援ファンドの計画も発表されています。組織の強化やコミュニティの構築、ユーザー向けの情報整理と開発者支援などの施策が2019年から集中的に行われており、今後もエコシステムの拡大は続いていくでしょう。

以上の施策は、短期的にはステラルーメンの価格動向に直接影響を与える要素ではないものの、長期的にはステラおよびステラルーメンを使った事業やサービスの増加に貢献する可能性があります。その結果として、ステラルーメンの市場価値が向上し、今後の価格に大きな影響を与えるかもしれません。

IBM社の国際送金プロジェクトの動向に注目

2018年9月、IBM社による国際送金プロジェクト「IBM World Wire」において、国際送金を実現する仕組みとしてステラが採用されました。その後2019年3月18日には、IBM社と国際銀行6行が覚書を交わし、IBM World Wireを利用してステーブルコインを発行する計画が発表されています。発表時にIBM社は「世界72カ国、47通貨、44の銀行」で、IBM World Wireを用いた国際送金が可能になるとしています。

なお、ステーブルコインは、米ドルや日本円などの法定通貨、金やダイヤモンドといった現物資産(の価格)と連動させるように設計することで、価格が一定に保たれるようにした暗号資産(仮想通貨)の一種です。

また、2020年1月には、ステラを利用するタイのスタートアップ企業が約34億円を調達しており、同社は東南アジアにおいてステラを使った銀行間決済システムの立ち上げを計画しています。

以上のように、ステラルーメンの投資を考える方は、IBM World Wire関連の話題やステラ基盤のステーブルコイン関連のニュースをまずは収集すると良いでしょう。

DMM Bitcoinでステラルーメンを売買

DMM Bitcoinでは、2020年2月19日から、レバレッジ取引でステラルーメンの取扱いを開始、2021年9月15日から現物取引の取扱いを開始しています。

「現物取引」とは?

暗号資産の取引には2種類あります。まずはそのひとつ「現物取引」の説明から始めましょう。

「現物取引」とは、売買の都度、日本円や暗号資産の受け渡しが発生する取引で、ユーザーが口座に入金した資金の範囲内で暗号資産を売買することができます。お店で現金で商品を購入(販売)するイメージと言えばわかりやすいと思います。最初に暗号資産を購入することからスタートし、その暗号資産の価格変動を見て売却して利益を得るといったことが可能です。具体的には、トレード口座に10万円が入金してあれば10万円分の暗号資産を購入でき、価格が値上がりしたタイミングで売却すれば差額の利益を得られるというわけです。

DMM Bitcoinでは、現物取引の対象暗号資産として、今回説明しているステラルーメンのほかにもビットコインやリップルなど複数の銘柄を取り扱っています。取扱い銘柄については「取引概要」のページをご覧ください。

レバレッジ取引の特徴は?

レバレッジ取引とは、一定額の資金(証拠金)を担保として事業者に預け入れ、手持ちの資金よりも大きな金額で売買を行える取引方法のことです。例えば、暗号資産(仮想通貨)の現物取引であれば、手持ちの資金が10万円なら最大10万円の取引しかできません。一方で、倍率2倍のレバレッジ取引の場合は、10万円の証拠金を預け入れれば、最大20万円分の取引が可能です。

またDMM Bitcoinのレバレッジ取引では、取引ごとの現物暗号資産(ステラルーメン)の受け渡しは行われません。暗号資産の売買(新規注文と決済注文)を行い、その差額の現金(日本円)のみを決済時に受け渡す「差金決済」が採用されています。

レバレッジ取引の注意点やリスクを把握する

レバレッジ取引の場合、わずかな価格変動でも損失が膨らむ危険性があり、証拠金の金額を超える損失が生じるリスクがあります。細心の注意を払っても損失が発生する可能性はありえるため、必ず余剰資金の範囲内で取引するよう心がけましょう。

一般に暗号資産(仮想通貨)は、価格の変動幅(ボラティリティ)が大きいため、暴騰・急落する可能性を把握しておきましょう。株式市場とは異なり、暗号資産取引にはストップ高・ストップ安といった仕組みがないため、価格の上昇または下落が続く可能性もあります。この点は、資産形成の上でメリットであると同時にリスクにもなっています。

「レバレッジ取引」では、「空売り」(ショート)がポイントのひとつ

レバレッジ取引の特徴的な点のひとつが、暗号資産(仮想通貨)を購入する取引(新規買い)からだけではなく、暗号資産を売却する取引(新規売り)からも取引できるという点です。新規売りから入る取引は「空売り」(ショート)と呼ばれており、DMM Bitcoinのレバレッジ取引でもショートから始められます。

例えば、暗号資産の価格が下落傾向にある(あるいは今後、下落すると予測される)際に、実際に保有していない状態でも「現在の価格で売る」(新規売り)といった注文が可能です。そして、価格下落後に「現在の価格で買う」(買い戻し)という注文を入れると、売却価格と購入価格の差額が利益となります。レバレッジ取引においてショートを活用することで、下落局面であっても利益を獲得できる可能性があるのです。

ステラルーメンの今後まとめ

ステラルーメンは、ステラ上で流通する暗号資産(仮想通貨)です。開発・運営元であるステラ開発財団は2019年以降、組織の強化やコミュニティの構築、ユーザー向けの情報整理と開発者支援などに力を入れており、長期的に見るとステラルーメンの活用事例が増えていく可能性があります。

また、IBM社による国際送金プロジェクト「IBM World Wire」およびその上で流通するステーブルコインの開発基盤として採用されている点も見逃せません。今後のステラルーメンの価格動向を考える上では、IBM World Wireやステーブルコイン関連のニュースをチェックしていきましょう。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

関連記事

今、仮想通貨を始めるなら
DMMビットコイン