ビットコインキャッシュとは?ビットコインとの違いは?

ビットコインキャッシュ
2021-11-24 更新

ビットコインキャッシュはビットコインから分裂して生まれたアルトコインの一種です。ビットコインと基本的には同じ性能と流通量を持ちながら、ビットコインの問題を解決したコインとして登場しました。

ビットコインとビットコインキャッシュはどのような点で同じ性能を持ち、どのような点で異なるのでしょうか。

ビットコインキャッシュ(BCH)とは

ビットコインキャッシュは2017年8月1日に生まれました。
当時、ビットコインは取引量が増えてきたことにより取引スピードが低下するスケーラビリティが問題となっていました。この問題を解決するため、ビットコインキャッシュではビットコインよりも1つのブロックサイズが大きくなっています。

また、ビットコインキャッシュはビットコインのブロックチェーンから派生して生まれたので、ビットコインと同じだけの量が流通しています。そのため、最初から流通性が高いという特徴もあります。

ビットコインキャッシュ開発の背景

ビットコインキャッシュは、先ほどのスケーラビリティをはじめとしたさまざまなビットコインの問題点を解決し、より使いやすくしていこうという目的のために生まれたコインです。

通常、ビットコインの問題を解決するためのアップデートはUASF(ユーザーアクティベートソフトフォーク)と呼ばれるアップデートが行われますが、この時はUAHF(ユーザーアクティベートハードフォーク)と呼ばれる分裂を伴うアップデートが行われました。「ユーザーアクティベート」とは「ユーザーが選択する」という意味です。

ハードフォークとソフトフォーク

ハードフォークとは互換性のないアップデートのことで、ソフトフォークは互換性のあるアップデートのことを指します。
「ハードフォーク=分裂」ということではない点に注意が必要です。

ビットコインのソフトフォークは「全てのブロックでルールを変更する」という方法であるのに対し、ハードフォークは「あるブロック以降からルールを変更する」というものです。このため、ハードフォークでは古いブロックと新しいブロックの互換性はなくなります。

また、ハードフォークでは古いブロックと新しいブロックは永続的に分かれることで、古いブロックは残したまま、新しいブロック側に新しい暗号資産(仮想通貨)が生まれることがあります。ビットコインとビットコインキャッシュでは、古いブロックがビットコイン、新しいブロックがビットコインキャッシュと決められました。

なお、ソフトフォークでは古いブロックも新しいブロックも新しいルールで運用され、どこかのタイミングで古いブロックか新しいブロックのいずれかに収束します。

スケーラビリティ問題とは

スケーラビリティ問題とは、ビットコインのブロックチェーンにおいて、取引データが格納されるブロック容量が1MBと定められていることから、データ処理速度が遅くなってしまう問題です。

ビットコインの利用者が増えて取引量が増えたことで1MBという容量では処理が追いつかなくなりました。これにより、ビットコインは送金詰まりが起こり、手数料を高くしないと短時間で送金することができなくなってしまいました。

ビットコインキャッシュはスケーラビリティ問題を解決するために、ブロックの容量を8MBまで引き上げました。

ビットコインとビットコインキャッシュの違いと共通点

まずはビットコインとビットコインキャッシュの違いについて説明します。

ビットコインとビットコインキャッシュの違い

ビットコインキャッシュの基本的な機能はビットコインと同じですが、大きく3つの点で相違点があります。

  1. ブロックサイズの上限が8MB
  2. Segwitがほとんど未実装
  3. マイニング難易度調整の機能

一方、ビットコインキャッシュはビットコインから派生したアルトコインであるため、プルーフオブワークといった根幹となるシステムは共通しています。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

  1. ブロックサイズの上限を8MBまでに拡大

    ビットコインキャッシュはブロックサイズの上限を8MBまで拡大することにより、スケーラビリティ問題を回避しています。

    ビットコインのブロックサイズは1MBで、ブロックが生成される10分の間に、約4,000のトランザクション(取引データ)を格納して処理できます。

    一方、ビットコインキャッシュはブロックサイズが8MBのため、ビットコインより8倍の取引量を処理できる仕様であり、さらにハードフォークせずに32MBまで拡張できます。

    ビットコインではスケーラビリティ問題に直面したため、時間通りに着金するためには高い手数料を支払う必要性が発生してしまいましたが、ビットコインキャッシュではブロックサイズを引き上げたため、今後取引量が増えても手数料は安いまま維持することができます。

  2. Segwit(Segregated Witness)がほとんど未実装

    ビットコインにはSegwitが実装されていますが、ビットコインキャッシュにはほとんど実装されていません。

    Segwitはビットコインのスケーラビリティ問題の解決策として考案されたもので、取引データのサイズを圧縮することで1ブロックあたりに記録できる取引データの量を増やす方法です。

    そもそも、ビットコインはソフトフォークによる方法でSegwitが実装されましたが、Segwitに反対した一部のコミュニティにより、ハードフォークが起こされ、ビットコインからビットコインキャッシュが生まれたという経緯があります。

    このハードフォーク時に、ビットコインはブロックサイズ1MBでSegwitを導入し、ビットコインキャッシュはブロックサイズ8MBでSegwitを導入しないという規約が設定されました。

  3. マイニング難易度調整の機能

    ビットコインキャッシュには、マイニングの際、特定の期間に一定数以上のブロックが見つからないと自動で難易度を調整する機能が付いています。

    この機能により採掘効率が改善され、当初は報酬の安さを理由にビットコインキャッシュのマイニングに参加しなかったマイナーたちも徐々に参加するようになりました。

    ビットコインにもマイニング難易度調整機能は付いています。これは2016ブロックごとに難易度調整が行われ、取引生成時間が10分になるよう調整されるというものです。一方、ビットコインキャッシュのマイニング難易度調整は、手前12時間の取引数とマイナー数を照らし合わせて調整するかたちをとっています。

    なお、当初は2週間に1回だったビットコインキャッシュの難易度調整が、2017年11月14日に行われたハードフォークにより、10分に1回に変更されています。

ビットコインとビットコインキャッシュの共通点

ビットコインキャッシュはビットコインから派生したコインということもあり、共通点も多くみられます。

たとえば、ブロックチェーン技術やプルーフオブワーク(PoW)など、ビットコインの根幹となる技術は同じものが使われており、ブロック生成時間も同じ10分間です。

ハードフォーク時の保有ユーザー数も同じで、ビットコインとビットコインキャッシュの違いでお伝えしたブロックサイズやセキュリティ、Segwitの点以外はほとんど同じと考えて良いでしょう。

ビットコインキャッシュ購入方法

暗号資産交換業者であるDMM Bitcoinでは、「現物取引」と「レバレッジ取引」でビットコインキャッシュを売買できます。また、取引手数料が無料で利用できます(※但しBitMatch注文を除く。レバレッジ取引ではポジションを翌日まで持ち越した場合、建玉金額の0.04%/日のレバレッジ手数料が発生します)。パソコンとスマートフォンのどちらでも、口座開設やビットコインキャッシュの売買を行えるなど初心者にもはじめやすくなっています。
※手数料についての最新の情報は「手数料について」のページをご覧ください。

DMM Bitcoinであれば、様々な点で手軽にビットコインキャッシュの取引を始めることが可能です。まずは口座開設から始めてみましょう。DMM Bitcoinでの口座開設は「スマホでスピード本人確認」、「郵送での本人確認」と、本人確認方法が2種類あります。

スマホでスピード本人確認

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郵送で本人確認

郵送での本人確認もまずはメールアドレスを登録(STEP1)します。その後、本人確認書類の画像をアップロード(STEP2)します。口座開設審査後、認証コードが登録した自宅住所に郵送されます。認証コードを入力すれば本人確認が完了し、口座が開設(STEP3)されます。
なお、本人確認に必要な書類や手続きの詳細については、「口座開設までの流れ」をご参照ください。

「クイック入金」なら、24時間365日リアルタイムで入金できる

口座が開設できたら、暗号資産を購入するためにウォレット口座に日本円を入金します。ウォレット口座はご自身の資産を預かるための口座ですので、マイページの「口座振替」より、ウォレット口座から取引のためのトレード口座に日本円の振替をします。ここまでの手続きを経て、初めて暗号資産の購入(取引)が可能になります。

入金方法は、通常は暗号資産交換業者が指定する銀行口座に振り込みますが、「クイック入金」を利用することで、24時間365日リアルタイムかつ手数料無料で入金ができるサービスもあります。

通常の振込では取引口座に最短5分で反映されますが、クイック入金はリアルタイムで取引口座に反映されるので、最短で当日の取引が可能になります。素早く取引を開始したい場合は、クイック入金がお勧めです。
参考情報:「入金から出金までのお取引の流れ

「現物取引」とは?

暗号資産の取引には2種類あります。まずはそのひとつ「現物取引」の説明から始めましょう。

「現物取引」とは、売買の都度、日本円や暗号資産の受け渡しが発生する取引で、ユーザーが口座に入金した資金の範囲内で暗号資産を売買することができます。お店で現金で商品を購入(販売)するイメージと言えばわかりやすいと思います。最初に暗号資産を購入することからスタートし、その暗号資産の価格変動を見て売却して利益を得るといったことが可能です。具体的には、トレード口座に10万円が入金してあれば10万円分の暗号資産を購入でき、価格が値上がりしたタイミングで売却すれば差額の利益を得られるというわけです。

DMM Bitcoinでは、現物取引の対象暗号資産として、今回説明しているビットコインキャッシュのほかにもビットコインやリップルなど複数の銘柄を取り扱っています。取扱い銘柄については「取引概要」のページをご覧ください。

「レバレッジ取引」とは?

レバレッジ取引とは、損失時の決済に備える一定額の資金(証拠金)を担保に、それより大きな金額で売買できる取引を指します。またDMM Bitcoinのレバレッジ取引では、現物取引と違い、取引ごとの現物(暗号資産)の受け渡しは行われません。暗号資産を売買(新規注文と決済注文)したときの「差額の現金(日本円)のみ」を決済時に受け渡す「差金決済」取引となっています。

レバレッジ取引では、少額からでも暗号資産の取引を始めることが可能です。

ただし、暗号資産取引には後述するようなリスクもあるため、しっかり管理をした上で行う必要があります。

DMM Bitcoinでは、ビットコインキャッシュはじめ、合計で国内最多12種類の暗号資産でレバレッジ取引を行えます(2021年10月現在、国内暗号資産交換業者のウェブサイト調べ)。

ビットコインキャッシュの現状と今後の動き

ビットコインキャッシュの今後を占うにあたり、当初の目的の通りにビットコインを超えられるかどうかが大きなポイントと言えます。

ビットコインは、2017年8月に導入したSegwitによって取引データを圧縮できるようになりましたが、いまだにその利用率は高くありません。価格の暴騰した2017年12月には非常に大きな数の送金詰まりを起こしています。

ビットコインではライトニングネットワークの実装などによって、今後この課題を解決していくことが期待されていますが、ビットコインと同じ機能を持つビットコインキャッシュではすでにブロックサイズの問題は解決しています。

また、時間通りにビットコインを着金させるために、一時送金手数料は2,000円〜3,000円ほどかかっていたのに対し、ビットコインキャッシュの送金手数料は1円未満〜6円程度です。

2017年11月に起こったビットコインのハードフォークにおけるリプレイアタック問題ではビットコインに不安が起こり、代わりにビットコインキャッシュに資金が集中する事態が起こりました。

しかし、そのような特殊な事態を除いては、ビットコインキャッシュはビットコインの価格に連動して価格が変動することが多いようです。

具体的には、ビットコインキャッシュの価格はビットコインの価格の1〜2割ほどで推移することが多くなっています。

2018年5月15日にハードフォーク

2018年5月15日にビットコインキャッシュのハードフォークが行われ、ブロックサイズが8MBから32MBにアップグレードされました。またSatoshi OP_codesと呼ばれるオペコードも追加されました。

Satoshi OP_codesの追加によって、イーサリアムの特徴であったスマートコントラクトをビットコインキャッシュにも導入することが可能となりました。今後、イーサリアムとの競合関係も始まることが予想されます。

SMS通信でビットコインキャッシュが送信可能に

2018年3月には、携帯電話のSMSプロトコルを使用してインターネット接続なしでビットコインキャッシュを送金できるコインテキストというサービスがリリースされています。

ビットコインキャッシュは、このサービスでアフリカなどの発展途上国での普及を狙っていると噂されています。

アフリカなどの発展途上国では自国の通貨に信用がありません。そうした国でこそ、ビットコインキャッシュのような暗号資産は役に立ちます。

人口12億人を有するアフリカでビットコインキャッシュが普及すれば、ビットコインキャッシュの価値は一気に高まるはずです。

まとめ

ビットコインの問題を解決するために登場したビットコインキャッシュは、ビットコインの問題である送金詰まりや高い送金手数料問題を解決しながら、最初からビットコインと同じだけの流通量を誇るという、いわば良いとこ取りとも言えるコインです。

イーサリアムと同じスマートコントラクト機能の追加など改善も進められ、またコインテキストなど新しいサービスの開始で今後の普及と飛躍が期待されています。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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