ビットコインや暗号資産(仮想通貨)ニュースの見方は?

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2024-03-30 更新

ビットコイン(BTC)や暗号資産(仮想通貨)に関するニュースは、政治や経済、技術の各分野で日々数多く生じており、これらの報道がビットコインの価格に影響を及ぼすことがあります。暗号資産市場は日々のニュースに非常に敏感なため、ニュースをどのように判断するかは重要です。また、ファンダメンタルズ分析にも有効でしょう。

この記事では、ビットコインや暗号資産に関するニュースをどのように解釈し、どういった観点から分析すべきかについて、詳しく説明します。

ビットコインのニュースに注目するメリットとは?

ビットコインに投資をするなら、ビットコインやその他の暗号資産(仮想通貨)に関連するニュースのチェックは欠かせません。なぜなら、ビットコインの価格は暗号資産に関するニュースに影響を受ける場合があるためです。ここからは、ニュースに注目する具体的なメリットについて解説します。

価格変動を事前予測できる

ビットコインを含む暗号資産は、歴史が浅く、法律などのルールも含め成長途中です。ビットコインの価格は、ビットコイン自体の価値だけではなく、将来への期待も含めて決まっています。そのため、ビットコインの発展に関わるニュースが価格に大きな影響を与える場合があります。ビットコインの将来に希望が持てるようなニュースなら価格が上昇するかもしれませんし、逆に失望感を与えるニュースなら価格が下落する可能性があります。だからこそ、いち早く情報を得ることができれば価格相場を読みやすくなります。特に、短期的な売買で利益を得たい人にとっては、ニュースの情報の把握は欠かせません。関連するニュースを踏まえたうえで投資を行うようにしましょう。

将来の価値を見極める材料になる

ビットコインは利便性の高い決済手段として普及することが将来的には期待されています。大手企業や銀行の参入などのニュースに注目することは、ビットコインの将来性を見極める材料になるでしょう。ビットコインの将来に期待する人々がいる一方で、そのリスクについて不安視する人々もいます。今後、ビットコインがどのような広がりを見せるのかは簡単に予測することはできません。だからこそ、普段から情報を集めておくことが大切になります。ビットコインを長期的に保有することを考えている人は、将来の価値を見極めるためニュースをしっかりとチェックしておきましょう。

ビットコイン価格に影響を与えるニュースの種類

ビットコインの価格変動に影響を与えるニュースは、大きく政治、経済、技術に分けられます。以下、どのような内容が特に影響を与えるのかを解説します。

政治ニュース

政治に関するニュースでは主に国際関係の動きが挙げられます。

国家間の紛争や政治的不安が報じられ、政治的緊張が高まると多くの投資家は資産を安全資産へ移動します。ビットコインは金融機関等を介さずに資産の移転が可能なことから、このような状況下では資産逃避先として選択されやすく、「デジタルゴールド」とも呼ばれています。よって、政治的緊張はビットコインの取引量の上昇を引き起こすことがあります。

例えば、2022年の2月から3月にはロシアのウクライナ侵攻を受けて、両国のビットコインの取引は急増しました。ルーブル建てのビットコイン取引は、侵攻が始まった2月24日には1日あたりの取引高が前日比3.5倍に、ウクライナでも同3倍となりました。さらにロシアの新興財閥であるオリガルヒが、経済制裁を回避するための逃避先にビットコインを選んだこともありました。資産の保管場所としてビットコインの匿名性や分散性が注目を浴びたといえるでしょう。

そのほかにも、2013年のキプロス危機や、2020年1月のアメリカによるイランの政治的対立への懸念の際にもビットコインが高騰しました。政治情勢が不安定になり、法定通貨の価値が下落することを危惧した人たちの中から、保有資産を暗号資産に移そうとする人が増えた可能性が考えられるでしょう。

経済ニュース

ビットコインをはじめとした暗号資産は規制が不十分であるため、株式や債券などといった暗号資産以外のものを好む投資家に普及しにくいという指摘があります。そのため、投資環境が整えられる適切な規制が報じられると価格が上昇することもあります。2024年1月にはビットコイン現物ETF(上場投資信託)が米国で承認され、承認期日前後には価格が大きく変動しました。

一方で、規制が厳しすぎると暗号資産に投資できない状況になることもあります。過去にも中国政府の複数回にわたる暗号資産の取引制限や取引禁止が報じられるたびに、市場価格は大きく下落しました。

また、ビットコインはマクロ経済ニュースからも大きな影響を受けます。

2022年3月からアメリカの政策金利上昇が上昇し、2022年末にかけてビットコインの価格は下落トレンドとなりました。一般的に金利が上昇するとリスク資産が売られる傾向があるとされています。ビットコインをはじめとする暗号資産は価格変動が激しく、元本保証もないためリスク資産の一種と捉えられています。

そのため、金利が上昇するというニュースは長期的にビットコイン価格の重石になっていたと考えられるでしょう。しかし、2022年3月には米国債利回りで、10年金利が上昇したにもかかわらず、ビットコインの価格は1BTCあたり600万円近くまで上昇したことがあったように、必ずしも金利が変動すればビットコイン価格もそれに連れられるとはいえません。

技術ニュース

技術に関するニュースでは、ハードフォーク半減期といったビットコイン自体の仕様に関するニュースのほかに、ビットコインの技術基盤である暗号技術の脅威となる情報によって価格が変動することがあります。

ハードフォークに関しては、過去にビットコインキャッシュ(BCH)とビットコインSV(BSV)の「ハッシュウォー(ハッシュ戦争)」の影響で、「ハッシュを集めるためにビットコインが売られるのではないか」という憶測がうまれ、ビットコインに売りが集まったことがあります。

2019年10月には、Google社が開発した量子コンピューターが従来型コンピューターよりも高性能だと証明されたと発表され、今後、ブロックチェーン技術に使われている暗号技術が破られたり、マイニングにおけるハッシュパワーが独占されたりするのではないかという不安が生じました。これにより、ビットコインの価格が一時急落するという現象が起こりました。

「噂で買い、事実(ニュース)で売る」

「噂で買い、事実で売る」という有名な相場の格言があります。英語の「Buy the rumor, sell the fact」を日本語にしたものです。この格言は「噂で買い、ニュースで売る(Buy the rumor, sell the news)」と表現されることもあります。

ある将来のイベント(規制や経済指標、決算報告)に対して市場が好感を示す向きが多い場合に予めその資産を購入しておき、結果がニュースなどの事実として公表された際に売却して利益を得ようとする考えです。

この戦略は、ある程度信憑性のある噂が発生した段階で購入し、その噂が正式に公表されたタイミングを価格の天井であると想定して売却するという、株式市場などで有名な格言ですが、暗号資産(仮想通貨)市場でも意識されています。

実際に、暗号資産の著名海外ヘッジファンドは、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でビットコイン先物の取引が開始された際には上場日までに大きく上昇し、上場後から弱気相場が始まったことを指摘しています。

2024年1月11日(日本時間)に公表された現物型のビットコインETFでも、承認後は一時的に上昇しましたが、その後、売りが進みました。

暗号資産市場ではビットコインだけでなく、エックスアールピー(XRP)といったアルトコインでもこうした動きがみられます。代表的なのはリップル社の年次カンファレンス「Swell」に関連した値動きで、イベントで新サービスの発表があるのではないかといった期待感から相場が上昇し、イベントを通過すると売られるという動きが出ています。

関連コラム:
リップルの国際会議Swellとは?XRP価格との関係も解説

ニュースの情報源と信憑性を確認しよう

ビットコインのニュースは専門メディアや一般メディアから入手するのが一般的ですが、以下の点に気を配るといいでしょう。

著名人や企業のSNSをフォローする

暗号資産(仮想通貨)の話題でSNS上でのコミュニケーションが盛んに行われており、SNSで流れる情報によって相場が変動する可能性があります。報道機関もSNSのニュースを元に記事を執筆することが多くなってきました。

政財界の著名人も積極的に発言しています。過去には、イーロン・マスク氏が自身のプロフィールに「#bitcoin₿」と追記したことでビットコインが急騰したこともあり、SNSの影響は小さくありません。

そのほかにも、メディア企業が自社サイトに報道として掲載する前に、第一報としてSNSで発信することなどもあります。また、暗号資産に特化したデータ分析企業の独自分析がニュースになることも多々あります。

有益な情報発信者のSNSをご自身でフォローしておくことで、情報を早期に入手できるかもしれません。

真偽を確かめる

暗号資産業界には、さまざまなニュースが溢れています。ときにはフェイクニュースが報道されることもあり、偽物の情報で相場が動いてしまうこともあります。しかし、誤報であることがわかると、相場は元に戻ることが度々確認されています。衝撃的なニュースであるほど価格への影響も大きいでしょう。

誤報に惑わされると、投資にも悪影響が出てしまいます。信憑性をご自身で確かめるのは難しい状況もありますが、公式サイトの情報を確認するなど、ご自身で情報の正確性を確かめる習慣を持っておく必要があるでしょう。

まとめ

ビットコインをはじめ、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンを取り巻くニュースは、政治、経済、技術など様々な分野に及ぶようになっています。暗号資産取引を行う上で、さまざまな視点で情報収集を行う必要性が増しているといえるでしょう。

特に、政治的・経済的な摩擦が強まることで、既存の金融システムへの不安感から暗号資産に資産を移そうとする人が増えている可能性は見逃せません。それによって、価格の上昇や下落がみられるようになっています。

一方で「噂で買って、事実で売る」という格言があるように、ニュースが報じられる時期によって相場が動くことを意識する必要もありそうです。ご自身で著名人や企業のSNSをフォローするなどして、ニュースを把握するように心がけましょう。

ビットコインをはじめとした暗号資産取引を行うにあたって、ニュースに敏感になることは重要です。日頃から情報収集を行うようにしましょう。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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