ビットコインの2020年、今後はどうなる?最新動向を解説

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2020-03-18 更新

ビットコインの2020年、今後はどうなる?最新動向を解説

暗号資産(仮想通貨)ビットコインは、2019年1月の価格が1BTC=38万円前後(BTCはビットコインの通貨単位)だったものが、様々な要因により上昇し2019年11月には100万円を突破。その後下落したものの、2020年1月には改めて1BTC=100万円前後となっています。

2020年も、ビットコインをはじめ暗号資産の価格動向に影響を与えそうなイベントが続くため、本稿ではその情報をまとめました。また掲載した情報以外にも、時事問題など突発的な出来事により価格が動く可能性が十分ありえます。ビットコイン価格の変動を見逃さないために、常に最新のニュースを目にするよう心がけましょう。

「改正資金決済法」および「改正金融商品取引法」施行

2020年でビットコインを含む暗号資産(仮想通貨)、さらに暗号資産交換業者にも影響を与えそうな出来事が、暗号資産交換業者への規制強化を盛り込んだ「改正資金決済法」および「改正金融商品取引法」(金商法)の施行です。これは、2019年5月に「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」として成立したもので、2020年6月までに施行予定となっています。

従来の「仮想通貨」という呼称を「暗号資産」に変更するほか、暗号資産カストディ業務(暗号資産管理業務)に対する規制追加、顧客の暗号資産をコールドウォレットなどの信頼性の高い方法で管理するように義務付けるなどが盛り込まれています。

また、暗号資産の証拠金取引(レバレッジ取引)が改正金融商品取引法の規制対象となります。内閣府令によって証拠金取引(レバレッジ取引)の倍率(レバレッジ)上限を2倍以下と定める方針と報じられた後、2020年1月14日、金融庁が「令和元年資金決済法等改正に係る政令・内閣府令案等の公表について」を公開し、パブリックコメントの受付を開始しています。

STO(Security Token Offering)に関する動き

これまで日本において、ICO(Initial Coin Offering)やSTO(Security Token Offering)の際に従うべき法律が、資金決済法または金融商品取引法のどちらになるのか明確ではない状況が続いていました。しかし、今回の改正金融商品取引法において、「電子記録移転権利」という概念とともに適用対象となるICO/STO発行トークンが明確化されています。この影響で、ICO/STO普及に向けた環境整備が進む可能性があるといえるでしょう。国内でも、ICO/STOの事例が出てくるかもしれません。

ICOとは、事業者が「トークン」と呼ばれるものを電子的に発行し、投資家に販売して行われる資金調達方法のことです。ICOで調達された資金は主にプロダクトやサービスなどの開発に使われます。

またSTOとは、ブロックチェーン上で発行されたセキュリティトークンを、投資家などに売却することによって資金調達を行う方法です。セキュリティトークンは、日本語では証券トークン(証券型トークン)と訳され、ブロックチェーンを用いて電子的に有価証券を発行したものを指しています。

日本国内では暗号資産(仮想通貨)ETF(上場投資信託)を組成・販売できない

金融庁は、2019年12月27日付で「金融商品取引業者向けの総合的な監督指針」の改正・適用を実施し、パブリックコメントへの回答において暗号資産ETFは「組成・販売できなくなる」旨を公表しました。暗号資産ETFとは、価格がビットコインなどの暗号資産と連動するように設計された上場投資信託で、株式と同じように証券取引所で売買できるものを指します。

5月12日ごろ、ビットコインが半減期を迎える

ビットコインには、マイニング(採掘)報酬が低減する仕組みとして「半減期」が組み込まれています。約4年に1回の間隔で発生し、3回目にあたる半減期は2020年5月12日ごろ(米国時間)になる予定です(2020年1月31日現在)。また4回目は2024年、5回目は2028年の予定です。

価格動向という点で見ると、2012年11月28日、2016年7月9日に発生した過去2回の半減期前後で価格が変動した後、それぞれ翌年には価格が上昇しています。このため、今回の半減期でもビットコイン価格が上がる可能性が期待されています。ただ、2020年1月時点で半減期を織り込んだ価格水準になっている可能性があり、今回価格は上がらないという意見もあるため、最新情報を必ず確認しましょう。

6月「FATF第4次対日審査」報告書の討議、夏に公表

日本では、「FATF第4次対日審査」の調査結果も注目すべきトピックです。6月頃に調査報告書の内容が討議され、夏に結果が公表される予定です。

FATF第4次対日審査は、日本の金融機関などがマネーロンダリング防止対策およびテロ資金供与対策を十分に実施しているかどうか、国際機関「FATF」(金融活動作業部会)が審査するというもので、今回から暗号資産(仮想通貨)交換業者も審査対象に含まれています。

審査の結果次第では、「暗号資産規制が整備された国」として暗号資産市場における日本の存在感が大きくなる可能性があります。

フェイスブックの暗号資産(仮想通貨)リブラは2020年に登場するのか?

2019年6月18日、フェイスブックが暗号資産リブラを2020年前半に立ち上げる予定と発表しました。多くの国から警戒され強い批判を受けたものの、リブラの発行計画は進行しており、リブラ開発者サイトでは新たなロードマップが2019年12月に公開されています。また2020年1月には、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOがリブラに継続して取り組む旨を公表しました。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の進展は?

フェイスブックのリブラの影響を受け、各国が独自のCBDC(中央銀行が発行するデジタル通貨)に関する調査・計画を進めています。中国が世界に先駆けCBDCを発行すると見られており、その影響力に対する懸念から独自のCBDCに関する研究を急ぐ必要が指摘されています。

2019年12月には、フランスの中央銀行が、デジタル通貨のテストを行い、2020年第1四半期末までにプロジェクトを立ち上げると発表。2020年1月には、日本銀行、欧州中央銀行など6つの中央銀行と国際決済銀行(BIS)がCBDC発行に向けた組織を作ると発表しました。日本銀行は、CBDC活用のあり方、クロスボーダーの相互運用性を含む経済面・機能面・技術面における設計の評価、先端的な技術について知見を共有するとしています。

ブロックチェーン技術を推進する中国

中国は、CBDC以外にもブロックチェーン関連の動向が見逃せません。2019年10月、習近平主席がブロックチェーン技術の推進を指示して以来、中国は、毎月のように新たな動きを打ち出しており、2020年も台風の目となる可能性があります。

まず2019年11月、中国の国家標準化管理委員会(SAC)がハイテク産業振興を目的にブロックチェーンの国家標準委員会を設置。12月には、暗号資産(仮想通貨)取引に関する取り締まりを強化しました。

また2020年1月、暗号化技術を管理する法律「暗号法」を施行しています。CBDCの発行計画に向けた法整備と見られており、暗号が関連する技術研究支援・産業発展を目的に、暗号の定義や事業者のルールなどを定めた法律となっています。同じく1月に、中国政府が主導する企業向けブロックチェーン「BSN」が2020年4月に正式稼働予定と報じられました。

少額決済、プライバシー保護技術の動向

ビットコインに関連する技術面では、スケーラビリティ改善や少額決済を実現する技術ライトニングネットワークの普及度に注目です。日本でも、ライトニングネットワーク対応モバイルウォレットが2019年12月に登場したほか、2020年1月末現在でノード(コンピュータ)数が1万1,000以上に達するなど、少額決済を行いやすい環境が徐々に整いつつあります。

また、ビットコイン送付におけるセキュリティやプライバシー向上につながる「シュノア(Schnorr)署名」および「タップルート」(Taproot)についての情報も確認するようにしましょう。具体的に実装が始まったわけではないのですが、技術上の大きなトピックとして期待されています。

シュノア署名は、電子署名方式のひとつで、トランザクション(取引)の署名において複数の署名をまとめて1回で行えるため、データ量圧縮、マイナー手数料の低減を実現できるというものです。このため、複数の秘密鍵による署名(および複数の署名データの送付)を必要とするセキュリティ技術マルチシグ(マルチシグネチャー)を利用しやすくなると見られています。タップルートは、例えばビットコインをやり取りする際、送付者側のトランザクションについてマルチシグか否かの区別をできなくすることで第三者からのプライバシー向上を図るという技術です。

暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーン技術をどのように社会で役立てるか

暗号資産・ブロックチェーン技術全体の動向として、強い規制がかかりにくい分野への進出を目指す動きもあり、金融分野以外に暗号資産やブロックチェーン技術を活用できるユースケースが模索される方向にあります。

日本の場合であれば、例えばスクウェア・エニックスがブロックチェーンに言及し、話題になりました。2020年を皮切りに、一般的な消費者に向けた新たなソフトウェアやサービスの登場を目にする機会が増えていくかもしれません。

ビットコインの2020年、今後の動向まとめ

2020年は、昨年同様にビットコインをはじめ暗号資産(仮想通貨)の価格動向に影響を与えそうなイベントが続きます。ビットコインを含む暗号資産、さらに暗号資産交換業者にも影響を与えそうなものが、暗号資産交換業者への規制強化を盛り込んだ「改正資金決済法」および「改正金融商品取引法」です。

また、2020年5月12日ごろ(米国時間)に発生予定(2020年1月31日現在)のビットコインの半減期にも注意しましょう。過去の半減期では、発生時期前後にビットコイン価格が変動した後それぞれ翌年には価格が上昇しているため、今回も価格が上がる可能性が期待されています。一方、すでに織り込み済みの価格水準と見なし、今回は価格に影響しないという意見もあります。

日本では、「FATF第4次対日審査」の調査結果も注目すべきトピックです。6月頃に調査報告書の内容が討議され、夏に結果が公表される予定となっています。

フェイスブックの暗号資産リブラに端を発する、中国を筆頭とする各国のCBDC動向の最新情報もよく確認しましょう。特に中国は、ブロックチェーン技術の推進をうたっており、2020年以降暗号資産・ブロックチェーン・CBDCにおいて強い影響力を持つ可能性がありえます。

ビットコインの半減期について興味を持った方は「ビットコインの半減期とは?価格動向の予測に必須の知識」もご覧ください。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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