暗号資産「ネム」のハーベストとは?「カタパルト」動向にも注目

NEMハーベスト
2020-02-12 更新

暗号資産(仮想通貨)「ネム」では、トランザクション(取引)の正当性を検証・承認する作業を「ハーベスト」(収穫)または「ハーベスティング」と呼び、作業の対価(手数料)として「ハーベスト報酬」を獲得できます。いわばビットコインのマイニングに相当する位置づけのもので、ネム独自のコンセンサスアルゴリズム「PoI」(Proof of Importance)のおかげで、一般的なパソコンでもネム(XEM)を得られる可能性があります。ここでは、その方法について紹介しましょう。

日本でも熱心な支持者が多い暗号資産「ネム」

暗号資産(仮想通貨)「ネム」は、日本でも支持者が多いアルトコインのひとつです。ただ正確には、ネム(NEM)という名称は暗号資産を指すものではなく、実は「New Economy Movement」の頭文字を取った略称にあたります。ネムは、新たな経済活動を創出することを目標に掲げるブロックチェーン開発プロジェクトなのです。

NEMというプラットフォーム上で流通する暗号資産は「ネム」ではなく、「ゼム」(XEM)と呼ばれています(通貨単位は「XEM」)。

ネムの「ハーベスト」とは?

暗号資産としてのネムの特徴は、発行上限数量「8,999,999,999XEM」の発行がすでに完了しており、新規発行が行われないことです。このため、価値の希薄化(インフレーション)が起こる可能性が低い点がメリットとされています。

他の暗号資産と同様、ネムでもトランザクション(取引)の正当性を検証・承認する作業自体は行われており、作業の対価(手数料)として「ハーベスト報酬」が支払われます。検証・承認作業によりハーベスト報酬を受け取ることを「ハーベスト」(収穫)または「ハーベスティング」と呼び、ハーベスティングを行う参加者は「ハーベスター」と呼ばれています。

コンセンサスアルゴリズムは「PoI」(Proof of Importance)

ネムに興味がある方は、先のハーベスティングと組み合わせる形で、独自のコンセンサスアルゴリズム「PoI」(Proof of Importance)を採用している点も覚えておきましょう。

PoIでは、インポータンス(重要度)というスコアに基づいて、どのハーベスターがハーベスティングするかをランダムに決定します。このインポータンスは、ネムの経済圏の中で各アカウントがどのくらい重要なのか示すもので、スコアが高いほどハーベスティングに成功する可能性が高くなる仕組みを採用しています。

インポータンスの獲得には1万XEM以上を保有していることが必須で、インポータンスを高めるには、ネムを使った取引量や取引の数、取引相手を増やす必要があります。つまり、1万XEM以上を保有すると同時に、ネムを活発に使い、多くの人と取引するほどインポータンスが高くなり、ハーベスト報酬を受け取れる可能性が高まります。保有量が多いだけでなく、ネムの流通の活性化に対する貢献度が高い者ほど利益を得やすいというわけです。

自分でハーベスティングに挑戦するには、まず1万XEM以上を購入・保有すること

ネムのハーベスティングは、いわばビットコインのマイニングに相当する位置づけなのですが、PoIのおかげで専用ハードウェアなどは必要なく、一般的なパソコンがあればハーベスト報酬としてネム(XEM)を獲得できる可能性があります。先に触れたように1万XEM以上を入手・保有し続けることが必須の条件となっています。

またハーベスティングには、自分のパソコン上で行う「ローカルハーベスト」、300万XEM以上を保有する「スーパーノード」と呼ばれる存在に委任(デリゲート)する「デリゲートハーベスト」の2種類があります。XEM獲得に挑戦してみたい初心者の場合は、知識習得や情報収集を兼ねてまずローカルハーベストを検討してみるといいでしょう。

ローカルハーベスト

ローカルハーベストは、パソコン用の公式ウォレット「NEM Wallet」上でネム(XEM)を保有する必要があります。スマートフォン用はハーベスティングに対応していないので、注意しましょう(2019年12月現在)。

具体的な手順はシンプルそのもので、自分のパソコン用NEM Walletに1万XEM以上を送付し、そのまま取引や送付など何もせず保持し続けるだけです。パソコンの電源を切らず、NEM Walletを稼働させ続ける必要があるため、電気料金がかかる点やセキュリティ対策について事前に確認しておくといいでしょう。

また、実際にハーベスティングに参加できるのは、「既得残高」(Vested Balance。既得バランスとも呼ばれる)が1万を超えてからとなります。

ネム(XEM)には、「残高」(Balance)と既得残高という設定があり、保有直後のネムはまず「残高」として評価され、一定期間保有し続けたネムのみが既得残高として扱われます。

この既得残高は、XEMを保有し続けると毎日少しずつたまるという仕組みを採用しており、「1日に増える既得残高」は、「24時間保有したXEM数量(1万XEM以上)」の10%とされています。自分が保有しているネムがすべて既得残高となったら、ハーベスティングを行えます。

デリゲートハーベスト

デリゲートハーベストの場合は、パソコン用の公式ウォレット「NEM Wallet」上でいったん自分のネム(XEM)を保持した上で、さらにスーパーノードに自分のネム(XEM)を送るというものです。

デリゲートハーベストは、スーパーノードに自分のネム(XEM)を預ける状態のため、自分のパソコンを稼働させ続ける必要はありません。ただし、デリゲートハーベストが有効になるまでに6時間かかります。

また、手数料を支払う必要がある点と、委任するスーパーノードが長期間安定的に稼働を続けられるのかどうか、セキュリティに注意を払っているかといった点を事前に検討することになります。

次期NEMにあたる「カタパルト」(Catapult)では、XEMと違う新たな暗号資産を採用

2019年12月現在、次期ネムにあたる「カタパルト」(Catapult)の開発が進められており、2020年2月~3月に正式に運用開始予定です。ネム財団(NEM.io財団)が公開している情報によると、現行のネムは「NEM v.1」(バージョン1)として、カタパルトとしばらく平行して運用される予定となっています。

カタパルトは、コンセンサスアルゴリズムが「PoS+」(Proof of Stake +)に変更されるなど、新たな機能や要素が多く、NEM v.1とは別のブロックチェーンとなる点に十分に注意する必要があります。

さらに、先に挙げたハーベスティングやXEM取引を考えている方の場合、カタパルトでは、従来(NEM v.1)のXEMとは違う新たな暗号資産が採用されていることを必ず覚えておきましょう。

先に触れたように、NEM v.1とカタパルトは一定期間併存するため、XEMが突然使えなくなることはありません。2019年12月現在、ネム財団(NEM.io財団)およびコミュニティの協議のもと、XEMから新暗号資産への移行方法が示されつつあり、6年間程度の移行期間が設けられています。

ただネムに限らず、暗号資産・ブロックチェーンにおいて大きなアップデートがある場合、一時的な混乱とともに価格が変動する可能性がありえます。普段以上に最新情報を収集する必要があると考えた方が安心でしょう。

■DMM Bitcoinでは、ネム(XEM)のレバレッジ取引が可能

ハーベスティングに挑戦したいものの、現行ネムおよびカタパルトの状況が落ち着くまでは、XEMや新暗号資産を直接入手するのは避けたいという方はいるはずです。そんな方に検討してほしいのが、ネム(XEM)のレバレッジ取引です。

例えば、DMM Bitcoinにおいてもネム(XEM)のレバレッジ取引が行えます。レバレッジ取引とは、損失時の決済に備える一定額の資金(証拠金)を担保に、それより大きな金額で売買できる取引を指します。

また、DMM Bitcoinのレバレッジ取引では、現物取引と違い、取引ごとの現物(暗号資産。ここではXEM)の受け渡しは行われません。暗号資産を売買(新規注文と決済注文)したときの「差額の現金(日本円)のみ」を決済時に受け渡す「差金決済」取引となっています。XEMや新暗号資産を直接入手・保有することなく、利益を得られる可能性があるというわけです。

「レバレッジ取引」では、「空売り」(ショート)も行える

レバレッジ取引のポイントのひとつが、暗号資産を購入する取引(新規買い)からだけではなく、暗号資産を売却する取引(新規売り)からも取引できる点です。これは「空売り」(ショート)と呼ばれており、DMM Bitcoinのレバレッジ取引でも可能です。

例えば、暗号資産の価格が下落傾向にある際に、実際に保有していない状態でも「現在の価格で売る」(新規売り)という指示を出せます。価格下落後に「現在の価格で買う」(買い戻し)という注文を入れると、売却価格と購入価格の差額が利益となるのです。

レバレッジ取引では、わずかな価格変動で損失が膨らむリスクがある

レバレッジ取引の場合、少ない資金で大規模な取引を行えるため、利益が大きくなる可能性がある一方で、わずかな価格変動でも損失が膨らむ危険性があります。

暗号資産は、価格変動の幅を指す「ボラティリティ」が高く、価格が激しく上昇・下降する可能性があります。また暗号資産市場は、株式市場のようなストップ高・ストップ安の仕組みがなく、暴騰が起こると価格が上がり続け、暴落時は価格下落を続ける可能性がある点もメリットと同時にリスクとなっています。ネムおよびカタパルトのようなアップデートや新暗号資産の採用など、大きな変化の場合にはとりわけ注意し、こまめに最新情報をチェックするよう心がけましょう。

「ネム」のハーベストまとめ

他の暗号資産と同様に、ネムでもトランザクション(取引)の正当性の検証・承認作業「ハーベスティング」が行われており、作業の対価(手数料)としてハーベスト報酬が支払われています。ハーベスティングを行う参加者は「ハーベスター」と呼ばれています。

ハーベスティングには、自分で行う「ローカルハーベスト」、「スーパーノード」と呼ばれる存在に委任(デリゲート)する「デリゲートハーベスト」の2種類があり、どちらも1万XEM以上を保有していることが必須条件となっています。ビットコインのマイニングに比べると、暗号資産の入手方法としてはハードルが低いといえるでしょう。

注意点は、次期ネムにあたるカタパルトが2020年2月~3月に正式に運用開始予定であること、従来のXEMとは違う新暗号資産の採用をしていることです。これら動向が落ち着くまではXEMや新暗号資産を直接入手するのは避けたいという場合は、DMM Bitcoinのネム(XEM)のレバレッジ取引を検討するといいでしょう。

ネムについて詳しく知りたい方は「根強いファンが多いネム!暗号資産(仮想通貨)としての将来性は?」もご参照ください。

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