アップデート直後のイーサリアム、2020年や今後の動向は?

イーサリアム
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2020-02-12 更新

暗号資産(仮想通貨)「イーサリアム」は、「イーサリアム 2.0」の開発が進んでおり、話題になる機会が増えています。また現行の「イーサリアム 1.x」系列も開発を継続しており、ハードフォークを複数回実施予定です。暗号資産取引の参考にしやすいよう、それぞれの2020年以降の動向を紹介しましょう。

さらなる発展を目指す暗号資産(仮想通貨)、イーサリアムとは?

イーサリアムは、暗号資産というだけでなく、パソコンのOSのような役割を果たす「プラットフォーム」でもあることから、国内外で人気があります。あらゆる取引(契約)を自動実行する仕組み「スマートコントラクト」を備えており、ビジネスで活用したい企業からも注目されています。

そのイーサリアムは、次期版とも呼べる「イーサリアム 2.0」の開発が進んでおり話題になることが増えています。2020年以降、さらにその情報を目にする機会が多くなるはずです。一方、現行の「イーサリアム 1.x」系列も開発を継続し続け、ハードフォークが実施予定となっています。適宜ニュースなどで扱われることが予想されるため、今後登場する最新情報がどちらの話題なのか混乱しないよう、整理しておきましょう。

2020年1月2日「ミュア・グレイシャー」実施、次のアップデートはいつ頃?

イーサリアムは、これまでに何度かアップデートを行っており、最近では2019年12月7日に「イスタンブール」、2020年1月2日には「ミュア・グレイシャー」(Muir Glacier。ミューア氷河とも)を実施しました。

イスタンブールは、イーサリアムと匿名通貨「Zcash」との相互運用性改善、プライバシー関連ソフトウェア開発向け仕様変更、セカンドレイヤーのパフォーマンス向上、手数料(Gas)関連の仕様変更を含むもので、一部互換性がなくなるハードフォークとして実行されました。

ミュア・グレイシャーは、イーサリアム1.x系で実装されているマイニング難易度調整メカニズム「ディフィカルティボム」の発動をイーサリアム 2.0運用開始時期まで遅らせるというものです。この対策は、イーサリアム1.x系から2.0への移行時にチェーンが分裂するリスクをなくすためのもので、イーサリアム2.0の実装が延期をする度に行われてきました。2019年2月の「ビザンチウム」および「コンスタンティノープル」アップデート時にも含まれていたもので、今後も同内容のアップデートが発生する可能性は高いといえるでしょう。

暗号資産取引の点でまず把握したいのは、従来のハードフォークやアップデートはすべてイーサリアム 1.x系列のもので、2020年以降も1.x系列の開発が継続すること、ハードフォークを複数回予定していることです。2022年頃までは、イーサリアム 2.0の情報よりも現行1.xやセカンドレイヤーの動向、開発者向けイベント「DevCon」(デブコン)の方が価格動向への影響が高い可能性もありえます。これら情報を見逃すことなく、確認するようにしましょう。

2020年第2四半期にベルリン(Berlin)の可能性

1.x系列の次のアップデートとしては、「ベルリン」(Berlin)が2020年第2四半期(7月~9月)に実施される可能性があります。ベルリンでは、ASICという特殊なチップを搭載するマイニング専用機器のマイニング効率低減を意図した次期コンセンサスアルゴリズム「ProgPoW」(Programmatic Proof-of-Work) が含まれる予定(2019年12月現在)です。

現在のアルゴリズムETHhash(イーサハッシュ)からProgPoWに置き換えることで、一般的なパソコンでの搭載例が多いGPUでもマイニングしやすくし、特定のマイニング事業者への過度の集中化を避けることを目的としています。

さらに実施時期は未定ながら、「ロンドン」(London)、「上海」(Shanghai)といった名称のアップデート(またはハードフォーク)が予定されています(2019年12月現在)。

過去のアップデート動向

イーサリアムは、ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が2013年に構想を発表し、2014年に開発がスタートしています。計画当初より大きく分けて4段階のハードフォーク(ブロックチェーンの分岐)を予定 しており、その他にも大型アップデートを実施してきました。ここでは表組による紹介にとどめるため、アップデート実施前後の価格変動の詳細は過去のコラムをご確認ください。

日付 名称 概要
2015年5月9日 オリンピック
(Olympic)
イーサリアムのプレリリース版(テストネット)
7月30日 フロンティア
(Frontier)
メインネットでジェネシスブロック生成。運用開始
2016年3月14日 ホームステッド
(Homestead)
スマートコントラクトおよびネットワーキングを改善するためのハードフォーク
7月20日 ダオ フォーク
(DAO Fork)
2016年6月に発生した「The DAO事件」を受けた議論の結果、ハッカーによる資金移動自体をなかったことにするハードフォークを実施
10月18日 タンジェリン ホイッスル
(Tangerine Whistle)
2016年9月~10月にかけて、イーサリアム・ブロックチェーンに対し悪意のある第三者によるサイバー攻撃が発生したため、手数料(Gas)に関する仕様を変更するハードフォーク実施
11月22日 スプリアスドラゴン
(Spurious Dragon)
2016年9月~10月に発生した攻撃に対する対抗のため実施した、2回目のハードフォーク。将来の攻撃を防ぐための調整や、リプレイ攻撃対抗が主目的
2017年10月16日 ビザンチウム
(Byzantium)
大型ハードフォーク「メトロポリス」(Metropolis)の一部。メトロポリスは、ビザンチウムとコンスタンティノープルからなる。匿名性を高める技術「zk-SNARKs」、採掘報酬(マイナー手数料)の低減、マイニング難易度調整メカニズム「ディフィカルティボム」の延期などを実施
2019年2月28日 コンスタンティノープル
(Constantinople)、
サンクトペテルブルク
(St. Petersburg)
2019年1月16日予定だったコンスタンティノープル(メトロポリスの一部)が延期されたため、まとめて実施。コアプロトコル仕様、スマートコントラクト関連仕様、ディフィカルティボム延期などを含む
12月7日 イスタンブール
(Istanbul)
匿名通貨「Zcash」との相互運用性改善、プライバシー関連ソフトウェア開発向け仕様変更、セカンドレイヤーのパフォーマンス向上、手数料(Gas)関連の仕様変更を含む
2020年1月2日 ミュア・グレイシャー
(Muir Glacier)
マイニングの難易度調整メカニズム「ディフィカルティボム」実施を延期
関連コラム:

イーサリアム 2.0にあたる「セレニティ」とは?何が変わるのか?

「セレニティ」(Serenity)は、次期イーサリアム(2.0)関連の大型アップデートにあたり、「フェーズ0」から「フェーズ6」の全7段階に分けて行われる予定です。

セレニティでは、コンセンサスアルゴリズムが「プルーフ・オブ・ステーク」(PoS。Proof of Stake)へと変更されること、シャーディング導入、スケーラビリティ改善、セキュリティ向上が大きな変更点となっています。

第1弾にあたる「フェーズ0」は、2020年第1四半期(4月~6月)に実施予定で、「2.0」系列コア部分「Beaconチェーン」が開始される計画となっています。また、2020年~2022年にかけて第3弾(フェーズ2)あたりまで開発が進行するというロードマップが公表されているものの、変更される可能性が非常に高い状態にあります。セレニティについては、最新情報を見かけるたびに進行状況を確認する必要があるでしょう。

注意点は、2019年12月現在のセレニティと現行「1.x」は別のブロックチェーンで、今後ある程度開発が進んだ段階で接続されるということです。2020年以降は、その時々のトピックとしてセレニティの開発動向が注目される可能性は高いものの、イーサリアム 1.x側がすぐに大きく変化するわけではないことに気を付けましょう。

2019年12月現在の進捗としては、「フェーズ0」に向けて開発者向け環境「(Beaconチェーンの)テストネット」が動作しているという状況です。

このテストネットについては、暗号資産取引に役立てる目的で自分のイーサリアム(ETH)を移動させることは避けたほうが賢明です。いったん移動させるとイーサリアム 1.x側に戻せない状態のほか、あくまで開発途中のため、何らかの原因で失ってしまう可能性がありえます。

もし動作の様子を確認したい場合は、セレニティ開発への参加、あるいはイーサリアム 2.0を想定したサービス・ソフトウェア開発を意図した調査などに目的を絞った方がよいでしょう。

イーサリアムの今後、2020年動向まとめ

現在イーサリアムは、次期版「イーサリアム 2.0」にあたる「セレニティ」の開発が進んでおり、2020年以降は最新情報を目にする機会がさらに増えるはずです。一方、現行の「イーサリアム 1.x」系列も開発を継続し、アップデートを複数回予定しています。適宜ニュースなどで扱われることが予想されるため、今後登場する情報がどちらの話題なのか混乱しないよう気を付けましょう。

また、2019年12月現在のセレニティは「イーサリアム 1.x」とは別のブロックチェーンのため、その開発動向により「1.x」側にすぐに何か影響があるわけではありません。セレニティの注目度は高いものの、暗号資産取引という点では、現行1.xのアップデートや開発者向けイベント「DevCon」(デブコン)の方が価格動向に影響する可能性を考慮する必要があるでしょう。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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