リップル(XRP)のロックアップとは?仕組みや価格への影響は?

リップルロックアップ
2020-02-12 更新

2,375種類以上(2019年12月現在)あるといわれる暗号資産(仮想通貨)の中でも、リップル(通貨単位:XRP)は取引量の多い暗号資産として知られています。暗号資産(仮想通貨)としてのリップルは、高速かつ安価な国際送金を実現する仕組みの一部として発行されました。そして、その国際送金ネットワークを開発する企業リップル社(Ripple Labs Inc.)が、発行上限数量の半分以上を保有しています(2019年12月8日時点)。

2019年12月現在、リップル社の保有するリップル(XRP)のほとんどがロックアップと呼ばれる仕組みの下、同社が自由に動かせない状態です。今回はリップルのロックアップの概要とロックアップを行う理由、さらにその解除が価格に与える影響について解説していきます。

リップル(XRP)のロックアップとは何?

リップル(XRP)は、既存の仕組みよりも高速かつ安価な国際送金を実現するために発行された暗号資産(仮想通貨)です。国際送金ネットワーク「RippleNet」において、リップルは法定通貨の交換を仲介するブリッジ通貨の役割を担っています。例えば、日本・アメリカ間で国際送金が行われる際には「日本円⇔XRP⇔米ドル」という流れでトレードが行われ、リップルがブリッジ通貨としての役割を果たすのです。

リップル自体は、リップル社(Ripple Labs Inc.)というアメリカのソフトウェア企業が実質的な管理主体となっており、同社はRippleNetの販売と共にリップルの普及に取り組んでいます。また、リップルの発行上限数量は1,000億XRPに設定されており、すべて発行済みです。ビットコインのマイニングのような、新規発行の仕組みはありません。

すでに発行されたリップルのうち、630億XRPはリップル社が保有しています。ただし、リップル社保有分の90%に相当する550億XRPが2017年12月にロックアップ(鍵を掛けるの意)され、第三者機関が提供するエスクローによって保管されているため、リップル社はリップルを自由に動かせません。なお、エスクローとは、何らかの取引を行う際に第三者として購入者と販売者の間に入って、商品と代金が無事にやり取りされることを保証するサービスのことです。

リップル社がロックアップを行う理由とは?

なぜ、リップル社はリップル(XRP)をロックアップするのでしょうか?

もともとロックアップは株式市場で用いられる言葉で、会社の役員やベンチャーキャピタルなど、公開前企業の株主(大株主)が、当該企業の株式公開後に一定期間、保有する株式を市場で売却できないように契約を交わす制度のことです。前述の通り、リップル社は保有しているリップルの大半をロックアップしており、自由に売買できません。

リップルのロックアップ自体は2017年12月8日の時点で完了しており、2018年以降、毎月1日に10億XRPずつロックアップが解除されるように設定されています。

ロックアップの解除とリップル(XRP)への影響

2017年12月8日までに完了しているロックアップ分(550億XRP)は、ロックアップ期限が55ヵ月に設定されています。より正確には、このエスクローアカウントに預託されたリップル(XRP)は、10億XRPずつの55の契約で構成されており、0ヵ月目から54ヵ月目までの計55ヵ月(4年7ヵ月)の間、各月の1日目にひとつずつ契約が失効していきます。つまり、各契約が失効するごとにリップル社は10億XRPを自由に売却し、市場に供給できるのです。

とはいえ、ロックアップが解除されたリップルは、リップル社から直接的に暗号資産(仮想通貨)取引所でユーザー(個人投資家など)に売却されるわけではありません。基本的には、資産運用のプロである機関投資家に対してリップルを販売するマーケットメイカーに分配(販売)されます。また、毎月リリースされる10億XRPのうち、同月末の時点で使われなかったリップルはエスクローアカウントに新しく預託・ロックアップされており、こちらもロックアップ期限は55ヵ月間です。

リップル社は、リップル(XRP)に関するマーケットレポートを四半期ごとに公開

リップル社は、リップル(XRP)に関するマーケットレポートを四半期ごとに公開しており、レポート内でロックアップが解除されたリップルの行方や期間内の取引量(米ドル換算)などについて報告しています。2019年12月現在、同年第1四半期~第3四半期のマーケットレポートが公開されているので、ロックアップ関連の数値を見ていきましょう。

まず、2019年第1四半期(1月~3月)はロックアップが解除された30億XRPのうち、23億XRPがエスクローに返却されました。第2四半期(4月~6月)は21億XRPが、第3四半期(7月~9月)には23億XRPが返却されています。2019年9月までにエスクローへ返却された数量は67億XRPであり、ロックアップ解除された90億XRPのうち7割以上が再び55ヵ月間ロックアップされました。なお、使われたリップルのうち、多くはRippleNetのパートナーシップを含むリップルのエコシステムを支援する施策に使われたと説明されています。

その他にも、マーケットレポートではリップル(XRP)関連の近況や規制当局の動き、暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン業界の注目トピックなどがまとめられています。リップルの取引を検討している方や、国外の暗号資産(仮想通貨)業界の動向に興味のある方は、リップル社WEBサイト内のブログ(Insights)にアクセスし、閲覧してみるといいでしょう(見つからない場合は、同社WEBサイト内で「markets report」というキーワードで検索)。

ロックアップ解除でリップル(XRP)価格に影響はあるのか?2019年動向を確認

リップル(XRP)を売買する方にとって気になるのが、ロックアップ解除によってその価格にどのような影響があるのか?という点でしょう。理論的には総発行数量の1%にあたる10億XRPが毎月売却できる状態になるため、市場においてリップルが供給過多となり、価格が下落する懸念を抱いている方も少なくないはずです。

すでに述べたように、ロックアップ解除されたリップルは直接的には(一般の個人投資家などが使う)暗号資産(仮想通貨)市場で売却されるわけではなく、また全額が市場に供給されるとは限りません。これらを踏まえると、ロックアップ解除がリップルの価格にそのまま直接的に影響する可能性は低そうです。それでは、2019年のリップルの価格動向を踏まえて確認してみましょう。

ロックアップが解除されるのは毎月1日であるため、もしリップルの価格に影響があるとすれば1日付近で価格変動があるはずです。しかし、実際にDMM Bitcoinの「リップル/円(XRP/JPY)のチャート(相場)(現物)」で毎月1日付近の価格を見てみると、大きく価格を下げた形跡はありません。

例えば、2019年4月1日の始値は「1XRP=34.165円」、終値は「1XRP=34.894円」でした。若干の価格上昇で月の初日を終えています。

https://bitcoin.dmm.com/trade_chart_rate_list/xrp-jpy

また、その1週間後にあたる4月7日を見ると、始値「1XRP=39.407円」、終値「1XRP=40.319円」となっていました。

https://bitcoin.dmm.com/trade_chart_rate_list/xrp-jpy

4月を取り上げたのは、2019年内で初週の値上げ幅がもっとも大きかったからですが、2019年を通して各月1日およびその後1週間のチャートを見ても、大きく値が崩れた月はありません。価格に影響を与える要因はいくつもあるため、単純な因果関係の判断は難しいですが、基本的にはロックアップ解除によるリップルの価格への影響はほとんどないと考えてよいでしょう。

記事冒頭でも説明した通り、暗号資産(仮想通貨)としてのリップル(XRP)は実質的な管理者がリップル社であり、発行上限数量の多くを同社が保有している状態です。この事実がリップルの潜在的な売却圧力となり、何も対策しなければ投資家はリップルの取引に慎重にならざるを得ません。だからこそリップル社は、保有しているリップルの大半をロックアップしているのです。

リップル(XRP)のロックアップまとめ

最後に本記事の内容をまとめておきましょう。まず、暗号資産(仮想通貨)としてのリップル(XRP)は発行上限数量が1,000億XRPであり、そのうち過半数をリップル社が保有している状態です(2019年12月現在)。ただし、2017年12月に550億XRPがエスクローに預託・ロックアップされました。第三者機関が提供するエスクローサービスに預託されたリップルは、契約が解除されるまでリップル社は自由に動かすことはできません。

ロックアップされたリップルは2018年以降の55ヵ月間(4年7ヵ月)で、毎月1日に10億XRPずつリリースされています。ロックアップが解除された10億XRPの行方は、リップル社自身によるレポートで確認でき、当月末に使われなかったリップルは再び55ヵ月間ロックアップされます。

リップル社が保有している大量のリップルはそのほとんどがロックアップされています。さらに、これまでの傾向として10億XRPがリリースされる毎月1日付近においても、価格が大きく変動することはありませんでした。しかしながら、発行元であるリップル社がリップルを大量に保有しているという点はビットコインやイーサリアムにはない特徴であるため、リップル(XRP)への投資をする際には、リップル社が保有するリップルの売却に関する情報収集も欠かさず行うことが大切だと言えるでしょう。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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