暗号資産(仮想通貨)の詐欺に注意!その手口を見抜くには?

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2024-05-25 更新

株式など歴史のある金融商品に比べると、ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)は価格変動が激しく、ハイリスク・ハイリターンであるといえます。それゆえに、「ビットコインや暗号資産で大きく儲けられるかもしれない」といった心理につけ込んだ詐欺が行われています。また、2022年4月からは成年年齢が18歳に引き下げられたことで若い世代への被害の拡大も心配されています。
そこで今回は、「国民生活センター」へ報告されている暗号資産関連の詐欺やトラブルの事例を踏まえ、詐欺に遭わないための基礎知識や対策を紹介していきます。

暗号資産(仮想通貨)詐欺被害の割合が年々増加

ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)の知名度や、暗号資産取引が普及するにつれて、ビットコイン詐欺や暗号資産に関するトラブルの事例も起きています。

独立行政法人「国民生活センター」の発表によると、SNSで知り合った外国人男性から紹介された投資サイトで暗号資産の取引をした後、出金を希望したところ高額な費用を請求される場合や、暗号資産の自動売買で儲かると勧誘されたが、全く儲からず返金を求めることになる等のトラブルが報告されています。

国民生活センターWebサイト内の「暗号資産(仮想通貨)」のページを見ると、年度ごとの相談件数は、2020年度は3,347件、2021年度は6,379件、2022年度は5,586件、2023年度は5月31日時点で624件(前年同期596件)となっています。

相談件数は2020年に3,000件を超えたあとに2021年、2022年ともに5,000件を超えています。

暗号資産の相談件数の推移
(2023年5月31日時点のPIO-NET登録相談件数/独立行政法人国民生活センター)

一方で、2022年5月には国民生活センターは、20〜30歳代による相談の割合が増加傾向にあると指摘しています。

2022年4月から成年年齢が引き下げられたことで、契約可能な年齢が18歳になりました。「簡単に稼げる」「儲かる」ことを強調している話を安易に信じないように、若者に対して呼びかけています。

暗号資産(仮想通貨)詐欺の種類

暗号資産(仮想通貨)にはさまざまな種類の詐欺が存在します。代表的なものを紹介しましょう。

ロマンス(豚の屠殺)詐欺

2022年ごろから国内外問わずに急速に増えているのが「ロマンス詐欺」です。特にロマンス詐欺を利用した「豚の屠殺(とさつ)詐欺」が暗号資産業界で問題視されています。これは、豚を長期間かけて太らせ、最終的に肉に加工する屠畜との類似性に由来して名付けられた言葉です。

マッチングアプリやSNSを通じて長い時間をかけて信頼関係を構築した後に、暗号資産の投資を持ちかけて、お金を限界まで搾取することが、豚を加工する前に太らせる屠畜と類似しているとして使われ始めました。

2019年ごろに中国で始まり、2023年では暗号資産に関する詐欺の中で最も被害額が多いというデータもあります。

ラグプル(出口詐欺)

ラグプルは日本語で「出口詐欺」とも呼ばれます。「最先端の暗号資産プロジェクト」などと謳って投資家から資金を集めた後に、プロジェクト完成前に資金を持ち去ってしまう詐欺です。

暗号資産業界では、DeFiやNFT、GameFiなどの新しい分野にこのラグプルが多くみられます。

手口は多様化しており、様々なタイプのラグプルがあります。

関連コラム:
暗号資産(仮想通貨)の詐欺ラグプルに注意!その手口と対策方法

ギブアウェイ詐欺

「指定した金額を振り込めば、数倍にして返す」と語り、実際には資金を返さずに、そのまま持ち去る詐欺です。

SNSで著名人による現金配布キャンペーンなどが流行したことや、かつては公式アカウント等のみが取得できていたSNSの認証マークが課金によって取得可能となったことにより、著名人になりすますことが容易になったことで、多くの人が騙されたようです。

フィッシング詐欺

フィッシング詐欺は、銀行口座情報やクレジットカード情報などを騙し取り、金銭を盗む詐欺です。暗号資産では主に秘密鍵が狙われます。偽のウェブサイトに誘導し、秘密鍵の入力を求めるなどして、ユーザーの資金を盗む手口が報告されています。

そのほかにも暗号資産交換業者を装い、ログイン情報を入力させる行為も確認されています。

関連ページ:
フィッシング詐欺にご注意ください

無登録業者による勧誘

国内で登録されていない海外の暗号資産交換業者が、国内の暗号資産交換業者では取り扱いのない暗号資産(仮想通貨)があると宣伝し、勧誘するケースがあります。

また、複数の業者が役回りを分担して暗号資産を購入させるといった劇場型勧誘による詐欺も報告されています 。その他にも「購入時の3倍以上での買取保証がある」などと虚偽の宣伝で消費者を勧誘するケースや、無登録業者にもかかわらず金融庁や外国政府、有名人、有名企業のお墨付きを得ているかのように装って宣伝する事例、また、無登録業者であることを隠して期間限定の特典やキャンペーンによって勧誘を行うなど、様々な事例があります。代理店からの購入やセミナー受講が必須となっているなどの条件が設けられているものや、最低購入金額が高く設定されているものなどにも気を付けた方が良いでしょう。

暗号資産(仮想通貨)詐欺の事例と手口

暗号資産(仮想通貨)に関して起こった実際の詐欺の事例をいくつか紹介します。

著名人を偽ったビットコインプレゼント(ギブアウェイ詐欺)

2020年から2021年にかけて、報道が相次いだのが、「ギブアウェイ詐欺」です。

X(旧Twitter)などのSNSで裕福な著名人になりすまし、なりすましアカウントが指定するアドレスに暗号資産を送付したら数倍にして送り返すという嘘で騙す手法です。

2020年6月には、偽アカウントにも関わらず、Xのアカウント認証マークが付いていたことから著名人本人のアカウントであると多くの人が勘違いし、十数億円分のビットコインが騙し取られる事例がありました。
また、同年3月に海外の著名人になりすましたアカウントによる同様の詐欺も起きています。
さらに、著名人のXアカウント自体をハッキングし、同様に「2倍にして返すので送付してほしい」とポストするといった形で誘導する詐欺も行われています。

マッチングアプリを使った詐欺

2021年12月ごろには、独自に発行した暗号資産を1500人に販売し、総額で20億円相当の正規の暗号資産と交換して現金化した日本国内の事件が報じられました。マッチングアプリで知り合った客に対して、投資家を装い「自分も買った」「今後価値が上昇する」などと虚偽や信憑性のない発言をし、ビットコインなどを騙し取ったとされています。

2021年には、宮城県や岐阜県などでSNSを通じて知り合った「外国人の男」から投資話を持ちかけられ、数千万円のお金を騙し取られる事件も起きています。

この手口では、誘われた投資アプリにお金を振り込んだらアプリの表示上は金額が増えたものの、その後引き出すことができなくなるなどの問題が起きています。

暗号資産(仮想通貨)詐欺を防ぐ5つの対策

暗号資産(仮想通貨)詐欺に遭わないようにするために知っておきたい基礎知識や対策について紹介します。

暗号資産(仮想通貨)に関する基礎知識を身に付ける

まず、暗号資産の基礎知識を身に付けましょう。

暗号資産は、日本円や米ドルのような法定通貨とは異なるもので、インターネット上でやり取りされる電子的な存在です。法定通貨との交換レートに基づいて売買されています。

暗号資産の価格は需要と供給のバランスに応じて絶えず変動しており、価格変動により利益を得られることもあれば、損失が発生することもあります。したがって、詐欺コインの宣伝文句で見られるような「数年後に価格が倍増する」といったことは事前には誰にも分からない内容です。

関連ページ:
暗号資産(仮想通貨)とは?暗号資産(仮想通貨)取引について知る

SNSで勧誘してきた知らない相手と取引しない

マッチングアプリやSNSなどで突如連絡をしてくる相手による詐欺が多数報告されています。こうした詐欺では、言葉巧みに投資を誘ってきますが、「絶対儲かる」などの誘い文句は詐欺である可能性が高いと考えて行動しましょう。

登録済み暗号資産交換業者か確認する

法律上、日本国内の居住者に対して暗号資産の取引(売買)サービスを提供するには、「暗号資産交換業者」として金融庁に登録しなければなりません。当然ながら、DMM Bitcoinも暗号資産交換業者として登録しています。(関東財務局長 第00010号)

金融庁の「暗号資産の利用者のみなさまへ」というページでは、「暗号資産交換業者登録一覧」が公開されているので、暗号資産取引サービスを使う場合は、このリストを確認しておくと良いでしょう。

参考リンク:

暗号資産(仮想通貨)がホワイトリストに入っているか確認する

金融庁に登録されている暗号資産登録業者で取扱う暗号資産は、通称「ホワイトリスト」と呼ばれています。

これらの暗号資産は、金融庁の審査を経て登録された日本国内の暗号資産交換業者が取り扱っているため、そのほかの暗号資産と比べると安全性や信頼性が高いと考えられます。

ホワイトリストは2017年施行の改正資金決済法によって、国内の暗号資産交換業者が登録制になったことを機に誕生しました。

DMM Bitcoinで扱っている暗号資産はもちろん全てホワイトリストに入っています。
しかし、ホワイトリストに入っているからといって金融庁が直接安全性を保証している暗号資産であるという訳ではなく、また価値が上昇すると保証しているものでもありません。この点については留意しておきましょう。

参考コラム:
暗号資産(仮想通貨)のホワイトリストとは?登録銘柄の安全性と認定条件

金融庁の警告を確認する

金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」と同時に確認しておきたいのが、無登録業者に関する情報です。金融庁の「暗号資産関係」というページでは、国内の居住者向けに無登録で暗号資産交換業を行う事業者に対する警告書が掲載されています。

なお、無登録業者として警告されていない事業者であっても、無登録で暗号資産交換業を行っている事業者が存在する可能性もあるので注意が必要です。

参考リンク:
金融庁「暗号資産関係 無登録業者関連

暗号資産(仮想通貨)投資は高額から始める必要はない

暗号資産の取引は少額から始められます。特に暗号資産取引の初心者の方は、少額からでも暗号資産が買えることを覚えておけば、取引のハードルが下がるだけでなく、最低購入金額が高い暗号資産の投資を持ちかけられた際に、詐欺の可能性を見抜きやすくなります。

例えばDMM Bitcoinの「取引概要」ページにある「暗号資産(仮想通貨)取引銘柄」を確認すると、ビットコインの現物取引(BitMatch注文を除く)における「最小発注数量」は「0.0001」となっています。これは0.0001BTCから取引ができることを意味しています。
つまり、1BTC=1,000万円という交換レートであれば、1,000円(0.0001BTC)から購入できるわけです。暗号資産取引は決して多額の元手が必要なものではなく、余剰資金の範囲内で少額から取引できるものなのです。

怪しいと感じたら相談や情報収集を

国民生活センターへの相談件数からも分かるように、暗号資産(仮想通貨)詐欺は実際に行われています。暗号資産の業界では、詐欺目的の暗号資産やプロジェクトのことを「詐欺コイン」や「スキャム」(Scam:詐欺の意)、「暗号資産詐欺」「ビットコイン詐欺」などと表現することが多いようです。これらの単語をインターネットでキーワード検索すると、暗号資産に関する詐欺の手口や事例がヒットするので、暗号資産関連の投資話を持ちかけられて怪しいと感じたら、まずはネットで検索するなど情報収集を行いましょう。

報道などでは金融機関や警察に相談したことで、投資詐欺に遭っていることが発覚したこともあります。困った時には金融庁の相談室や警察相談専用電話、消費者ホットラインに相談しましょう。

暗号資産(仮想通貨)詐欺に遭ってしまったら

暗号資産(仮想通貨)関連の詐欺に遭ってしまった場合は、警察に相談するようにしましょう。さらに各省庁や国民生活センターでは暗号資産トラブルに関する注意喚起や情報提供がされています。

また、実際に詐欺に遭ってしまった場合にはクレジットカードや銀行口座を停止することで被害が広がる可能性を防ぐことにも繋がります。

参考リンク:

まとめ

暗号資産(仮想通貨)の認知度の向上や取引量の増加に伴って、暗号資産に関するトラブルや詐欺も起きています。国民生活センターに寄せられた、実態不明な暗号資産やICO、マイニングへの投資に関する相談件数は1,000件を超える数で推移しています。特に10〜20歳代の被害割合が増加しています。

暗号資産に関する詐欺の手口には様々な種類があるため、少しでも怪しいと思ったらネットで検索したり、国民生活センターや関係省庁(金融庁や消費者庁、警察庁など)のWebサイトで調べたりしましょう。電話などで相談するのも良いかもしれません。

暗号資産に関する詐欺や詐欺コインの被害に遭わないためには、暗号資産や暗号資産取引に関する基礎知識を身に付けた上で、暗号資産取引を行いましょう。

例えば、登録済みの暗号資産交換業者の一覧は金融庁のWebサイトで公開されているので、暗号資産の取引・販売サービスを提供する事業者が、登録を受けているかどうかを確認することができます。また、暗号資産取引には高額な手元資金は必要ありません。

暗号資産に関するトラブルや詐欺に遭わないためには、確認すべき情報提供機関を知り、暗号資産の基礎知識を身に付けておく必要があります。

暗号資産は少額から始められるので、余剰資金の範囲内で無理なく取引をしていきましょう。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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