エックスアールピー(XRP)とは?XRP Ledgerも含めて初心者にわかりやすく解説
日本でも人気がある暗号資産(仮想通貨)のひとつに「エックスアールピー(XRP)」があります。ここではXRPや、この暗号資産が流通するXRP Ledger(XRPL)ブロックチェーンについて詳しく紹介していきます。
XRPの特徴は?
エックスアールピー(XRP)は、「XRP Ledger(XRPL)」ブロックチェーンにて流通する暗号資産(仮想通貨)であり、国際送金におけるプロセスを円滑に行なえるようにすることを目的としています。
XRPLは、独自のコンセンサスアルゴリズム「XRP Ledger Consensus Protocol」(単にConsensus Protocolと表記することも多いです)を備えており、堅牢なネットワークとしても有名で、2012年のローンチ以降は安定して稼働しています。
XRPLの歴史について
2011年、3人のエンジニアDavid Schwartz氏、Jed McCaleb氏、Arthur Britto氏がXRP Ledger(XRPL)の開発を始めました。彼らはビットコイン(BTC)に大きな関心を持ち、ビットコインの欠点ともいえる大きな環境負荷問題を改善するためにより良いブロックチェーンの作成を目指しました。
2012年8月、投資家のChris Larsen氏が参加し、9月にクローズドなプロジェクト・企業としてNewCoinを設立しました。その1カ月後にはOpenCoinに社名を変更しています。
2013年4月、OpenCoin社はベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitz氏が150万ドル、5月にはアルファベット社の投資部門(GV)などが140万ドルを出資しましたが、7月に主要開発者のJed McCaleb氏が退職しています。9月にはRipple Labs社に社名を変更し、XRPLネットワークに参加するためのオープンソースソフトウェアを公開しました。
その後2015年10月には、社名をRipple Labs社からRipple社に変更するなどの変更がありました。さらに5年後の2020年、XRP Ledgerの開発と採用を加速させることを使命とするXRPL Foundationが設立されたことは、このプロジェクトにとって大きな分岐点となりました。
XRPL Foundationは、Coil、Ripple、Gatehubからの650万ドル以上の初期寄付を受け取り、XRPL上で構築する開発者や、グローバルブロックチェーンコミュニティの他のメンバーにサービスを提供するための活動を支援しています。
XRPLとビットコインとの違いは?
ビットコインは、コミュニティ運営による高い分散性とコンセンサスアルゴリズム「プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work)」によって、高い電力や計算力競争によりセキュリティを確保している点が大きな特徴です。
また、暗号資産BTCについては発行上限数2100万という取り決めのもと、徐々に発行されていく仕組みを採用しています。
一方のXRP Ledger(XRPL)は、2020年には非営利団体のXRPL Foundationが設立されたことで分散性は高まったものの、現在もRipple社の影響は強いとされる点で、完全に分散化されたビットコインとは大きく異なります。
他にも、XRPLはプルーフ・オブ・ワークと比較してエネルギー効率がはるかに高いコンセンサスアルゴリズム「Consensus Protocol」を採用していることが大きな差別化点です。
このコンセンサスアルゴリズムにより、「バリデーター」や、「UNL(ユニークノードリスト)」と呼ばれる承認者のうち80%以上が正当だと判断したトランザクションだけが正常なものとして扱われます。
また、ビットコインのブロック生成が約10分ごとであることに対し、XRPLでは3~5秒ごとにブロックが生成される仕組みになっており、高いセキュリティとスケーラビリティを特徴としています。
さらに、発行上限数量の1000億XRPをすべて発行し終えていることも、ビットコインとは異なる点だといえるでしょう。
XRPLの長所は?
もともとXRP Ledger(XRPL)が生み出された目的は、高速で安価な国際送金を行なうためでした。ある通貨とさらに別の通貨との橋渡しをする存在として機能することで、迅速で安価な国際送金を可能にしています。例えば日本からアメリカへと国際送金する場合には、「日本円⇔XRP⇔米ドル」というように円とドルの橋渡しをするのです。これをブリッジ通貨といいます。
通常、日本円から米ドルに変換する場合は、複雑かつ多額の手数料が必要になりますが、XRPLブロックチェーンでXRPを送金する場合は、0.00001 XRPが基準となります。
これまでのXRPでも高値水準といえる1 XRP =100円で換算したとしても、一度のトランザクション手数料は0.001円で済むため、極めて安価に送金を行うことができるといえるでしょう。
また、現在はより広範的にXRPLを使用することを目的に開発を進めており、主にビジネスシーンでの利用が期待されています。
XRPの過去の価格動向
XRPは、いくつもある暗号資産(仮想通貨)の中でも時価総額が大きなもののひとつであり、そのランキングにおいては常にTOP10に位置しています。
2018年1月は、昨年まで1XRP=30円ほどだったのが最高値で1XRP=400円にも迫る高騰をしました。しかし、暗号資産(仮想通貨)全体の市場の落ち込みとともに徐々に価格は下落していきました。
2020年にはXRPの価格が一時20円を下回ることもあったものの、2021年4月は再び発生した暗号資産ブームによって約3年4カ月ぶりに200円台を突破しました。
しかし、その後はRipple社と米国証券取引委員会(SEC)との法廷闘争が泥沼化したことにより、価格は下落傾向にありました。
2023年7月以降は、SECとの法廷闘争に関してRipple社側が有利と報じられるたび、価格が上昇する傾向にあるものの、1 XRPあたりおおむね70~100円で推移しています。
まとめ
XRPは、数ある暗号資産全体でみても取引量の多いことは日本でもよく知られています。
現在、プロジェクトはXRPL Foundationの管理下にあり、コミュニティによる運営体制が築かれつつあるものの、XRPといえばリップルという印象は健在といえます。
SECとの裁判関連の報道はXRPの価格に影響を及ぼすことが多いため、常に最新ニュースのチェックは欠かせません。
※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。
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