暗号資産(仮想通貨)にかかる税金とは?確定申告をする必要は?

仮想通貨
確定申告
2019-10-30 更新

仮想通貨を使った資産運用を行う上で、税金や確定申告について少しでも理解していると安心して取引できます。ビットコインなど仮想通貨で利益を得た場合、所得税(雑所得)として課税されるものの、雑所得がどのようなものか、また経費が認められるのかどうか把握することで節税にもつながります。どのような条件の方が確定申告をすべきなのかも合わせて紹介しましょう。

※本稿をご覧いただく方のご注意

この記事では、国税庁WEBサイト「タックスアンサー(よくある税の質問)」などに掲載されている、仮想通貨および確定申告に関連する情報を参照元としており、記載内容は一般的な解説となります。税務申請の詳細に関しては、必ず税務署または税理士へご相談ください。

参考:

仮想通貨で得た利益は所得税(雑所得)の課税対象

ビットコインなど仮想通貨の取引で得た利益(所得)は、原則として所得税の課税対象となっています。「雑所得」として確定申告を行い、納税する必要があります。

仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)(平成30年11月)」によると、仮想通貨交換業者において、仮想通貨を日本円などの法定通貨に換金した時点(仮想通貨の売却など)で利益が確定したとみなされ、所得金額に従い課税されます。一方、購入した仮想通貨がどれだけ値上がりや値下がりをしても、売買・買い物・仮想通貨同士の交換などを行わず保有し続けているだけであれば課税対象となりません。仮想通貨取引を始めたい方は、これらの点を最初に覚えておきましょう。

参照:

雑所得は「総合課税」の1つ

所得税において課税対象となる所得は、給与所得や事業所得をはじめ10種類の区分に分類されており、この10種類は「総合課税」と「申告分離課税」に分かれています。雑所得は総合課税に含まれる区分の1つです。

また所得税は、各区分の所得金額を合算して所得税額を計算し、確定申告で納税を行う総合課税が原則となっています。一部区分が該当する申告分離課税では、ほかの区分の所得金額と合算せずに分離して税額を計算し、確定申告を行い納税します。

所得税の区分 種別 利子所得 課税制度 総合課税 種別 配当所得 課税制度 総合課税 種別 不動産所得 課税制度 総合課税 種別 事業所所得 課税制度 総合課税 種別 給与所得 課税制度 総合課税 種別 退職所得 課税制度 申告分離課税 種別 山林所得 課税制度 申告分離課税 種別 譲渡所得 課税制度 総合課税 種別 一時所得 課税制度 総合課税 種別 雑所得 課税制度 総合課税
参照:

所得税の課税率は累進課税

仮想通貨が該当する「雑所得」は、給与所得・事業所得・利子所得などほかの所得区分に含まれないものが該当します。 例えば、公的年金、作家業を本業としていない人が受け取る原稿料や講演の謝金などです。雑所得の金額は、仮想通貨で得た利益のみの場合「仮想通貨売却時の時価」から「必要経費(取得時の価格)」や「売却時の手数料」を差し引くことで算出します。

・雑所得 = 仮想通貨売却時の時価 - 必要経費(仮想通貨の取得価格、売却時の手数料)
参考:

また、雑所得は税率が設定されておらず、他の所得区分と合算した所得金額(1000円未満の金額は切り捨て)に課税されます。給与所得者なら、勤務先からの給料(給与所得)と仮想通貨取引で得た所得(雑所得)を足した金額に税金が課されることになります。仮想通貨取引で得た所得のみで課税されるわけではないことに注意しましょう。

所得税の課税率は累進課税となっており、最高で45%(所得金額が4000万円を超える場合)を税金として支払う必要があります。

所得税の税率(目安) 課税される所得金額 195万円以下 税率 5% 控除額 0円 課税される所得金額 195万円を超え330万円以下 税率 10% 控除額 97,500円 課税される所得金額 330万円を超え695万円以下 税率 20% 控除額 427,500円 課税される所得金額 695万円を超え900万円以下 税率 23% 控除額 636,000円 課税される所得金額 900万円を超え1800万円以下 税率 33% 控除額 1,536,000円 課税される所得金額 1,800万円を超え4,000万円以下 税率 40% 控除額 2,796,000円 課税される所得金額 4,000万円超 税率 45% 控除額 4,796,000円

課税計算方法としては以下のようになります。

・「課税される所得金額 × 税率 - 控除額 = 所得税額」
参照:

また、地方自治体ごとの個人住民税(市町村民税・道府県民税)についても覚えておきましょう。住民税は1月1日時点で該当市区町村に住所がある方に対して課される税金です。所得税の計算で算出した額に一律10%が住民税として課されます。

所得の区分とは?

所得税法で課税対象となる所得は、先に挙げたように10種類の区分に分類されており、それぞれ税率や控除の仕組みが異なります。

所得の種類 区分 利子所得 対象 預貯金や公社債の利子、合同運用信託、公社債投信信託・公募公社債など運用投資信託の集英期の分配 区分 配当所得 対象 株主や出資者が法人から受ける配当、投信信託(公社債投資信託・公募公社債など運用投資信託以外)、特定受益証券発行信託の収益の分配 区分 不動産所得 対象 土地や建物などの不動産、借地権など不動産の上に存する権利など 区分 事業所得 対象 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他など事業から発生する所得 区分 給与所得 対象 勤務先から受ける給料、賞与など 区分 退職所得 対象 退職手当、退職により一時的に受ける給与など 区分 山林所得 対象 所有期間5年超の山林の伐採・譲渡で発生する所得 区分 譲渡所得 対象 土地・建物など資産の譲渡による所得 区分 一時所得 対象 労務その他の役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得。懸賞や福引の賞金品、競馬、競輪の払戻金など 区分 雑所得 対象 他所得区分に当てはまらない所得。作家以外の人が受ける原稿料や印税など

仮想通貨取引を行っている方で関係してくる区分は、給与所得者であれば「給与所得」となるでしょう。給与所得の金額は、収入金額(源泉徴収前の金額)から給与所得控除額を差し引くことで得られます。

参照:

仮想通貨と株式投資・FX(外国為替証拠金取引)との違い

株式投資やFX(外国為替証拠金取引)による所得は、仮想通貨同様に雑所得です。しかし株式投資やFXは、他の所得金額と合計せず、分離して税額を計算する申告分離課税となっています。また、租税特別措置法の特例により、所得額を問わず所得税率が一律約15%(住民税は5%)です。損失を翌年以降3年間にわたって繰り越しできる点も大きな違いでしょう。後述するように、仮想通貨では翌年以降に損失を繰り越すことはできません。

参考:

給与所得者の場合、仮想通貨取引で20万円を超える所得が発生すると確定申告が必要

前述のように、仮想通貨は日本円と交換(売却など)を行った時点で利益が確定した状態となり、雑所得として課税対象となります。

会社員など給与所得者の場合、仮想通貨の取引で20万円を超える所得(利益から必要経費を引いた金額)があると、確定申告を行う必要があります。仮想通貨取引に限らず、副業などで複数の給与所得がある場合や、フリーマーケットアプリなどの個人取引による所得があるなど、給与所得以外の所得の総額が20万円を超えている場合は確定申告が必要です。不安な方は税務署や税理士に相談するなどの対策を必ず行いましょう。

参照:

扶養家族(配偶者以外の親族)の場合

16歳以上70歳未満(配偶者以外の親族)の場合、「扶養親族」に該当します。38万円を超える所得があると、保護者など納税者の扶養控除対象から外れます。納税者の所得から扶養控除額38万円が差し引かれなくなり、納税額が増える可能性があります。納税者が給与所得者で年末調整を行っている場合、扶養家族を外した状態で再度年末調整を行うか、タイミング次第では納税者本人が確定申告を行う必要があります。

その上で別途、基礎控除額38万円など所得控除を差し引く形で、扶養家族を外れた本人が確定申告を行う必要がある可能性がある点に注意しましょう。

不要控除額の金額(平成30年分・令和元年分) 区分 一般控除対象扶養親族(16歳以上) 控除額 38万円 区分 特定扶養親族(19歳以上23歳未満) 控除額 63万円

また、その年の12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の方は「特定扶養親族」にあたります。特定扶養親族に38万円を超える所得があると、保護者(納税者)の扶養控除から外れ、扶養控除額63万円が差し引かれなくなります。先と同様に、納税者が給与所得者の場合には、特定扶養親族を外した状態の年末調整か、確定申告を行う必要があります。

また、特定扶養親族を外れた本人が、基礎控除などを含めた状態で確定申告を行う必要がある可能性があります。

参考:

アルバイトによる給与所得がある大学生は?

大学生など、アルバイトによる給与所得と仮想通貨で得た所得(雑所得)の合算が、扶養控除額38万円以下であれば、両親(納税者)の扶養控除対象から外れることはなく、確定申告の必要はありません。また所得額の計算方法としては、以下の2要素を組み合わせたものとなります。給与所得控除(最低65万円)は勤労収入(アルバイト収入)にかかる控除のため、仮想通貨で得た所得(雑所得)とは合算できません。

・アルバイト収入 - 給与所得控除額(最低65万円)= 給与所得 ・仮想通貨で得た利益 - 必要経費 = 雑所得
参考:

学生の場合は勤労学生控除を利用できる

納税者自身が勤労学生である場合は、勤労学生控除27万円を受けられる可能性があります。また、給与所得などの勤労による所得があること、合計所得金額が65万円以下、勤労以外の所得が10万円以下、大学・専門学校の生徒などの条件があります。

勤労学生控除を受ける際には、給与所得者の場合は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」にある関係書類を勤務先に提出すること、確定申告の場合は確定申告書に勤労学生控除に関する事項を記載し提出することのどちらかが必要になります。

参考:

専業主婦(納税者の配偶者)やパート収入がある主婦は?

パート収入がない専業主婦

パート収入などがない専業主婦(納税者の配偶者)の場合、仮想通貨で得た所得(雑所得)を合算した所得金額が38万円以下であれば、納税者(夫)は配偶者控除を受けられます(納税者の所得金額が900万円以下の場合)。この場合、専業主婦(納税者の配偶者)本人による確定申告は必要ありません。

配偶者控除の金額 控除を受ける納税者本人の合計所得金額 900万円以下 控除額 38万円 控除を受ける納税者本人の合計所得金額 900万円超950万円以下 控除額 26万円 控除を受ける納税者本人の合計所得金額 950万円超 控除額 13万円

パート収入がある場合

パート収入があり、納税者の配偶者(主婦など)の雑所得を含む合計所得金額が103万円以下の場合、課税され得る所得は「給与所得控除(最低65万円)+基礎控除(38万円)」を差し引いた金額となるため、所得税はかかりません。前述同様納税者(夫)は配偶者控除を受けられます。ただし、給与所得控除(最低65万円)は勤労収入(パート収入)にかかる控除のため、仮想通貨で得た所得(雑所得)とは合算できません。パート収入と仮想通貨による所得を計算する際は、税務署や税理士に必ず相談しましょう。

パート収入がある配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下の場合、納税者(夫)は、自分の所得金額に応じ「配偶者特別控除」(最高38万円)を受けられる可能性があります(国税庁「配偶者特別控除」)。なお、配偶者特別控除は夫婦間でお互いに受けることはできません。またこちらについても、パート収入と仮想通貨による所得を計算する際には、税務署や税理士に必ず相談しましょう。

配偶者特別控除の控除額(平成30年分・令和元年分) 配偶者の合計所得金額 38万円超85万円以下 控除を受ける納税者本人の合計所得金額 900万円以下 38万円 900万円超950万円以下 26万円 950万円超1000万円以下 13万円 配偶者の合計所得金額 85万円超90万円以下 控除を受ける納税者本人の合計所得金額 900万円以下 36万円 900万円超950万円以下 24万円 950万円超1000万円以下 12万円 配偶者の合計所得金額 90万円超95万円以下 控除を受ける納税者本人の合計所得金額 900万円以下 31万円 900万円超950万円以下 21万円 950万円超1000万円以下 11万円 配偶者の合計所得金額 95万円超100万円以下 控除を受ける納税者本人の合計所得金額 900万円以下 26万円 900万円超950万円以下 18万円 950万円超1000万円以下 9万円 配偶者の合計所得金額 100万円超105万円以下 控除を受ける納税者本人の合計所得金額 900万円以下 21万円 900万円超950万円以下 14万円 950万円超1000万円以下 7万円 配偶者の合計所得金額 105万円超110万円以下 控除を受ける納税者本人の合計所得金額 900万円以下 16万円 900万円超950万円以下 11万円 950万円超1000万円以下 6万円 配偶者の合計所得金額 110万円超115万円以下 控除を受ける納税者本人の合計所得金額 900万円以下 11万円 900万円超950万円以下 8万円 950万円超1000万円以下 4万円 配偶者の合計所得金額 115万円超120万円以下 控除を受ける納税者本人の合計所得金額 900万円以下 6万円 900万円超950万円以下 4万円 950万円超1000万円以下 2万円 配偶者の合計所得金額 120万円超123万円以下 控除を受ける納税者本人の合計所得金額 900万円以下 3万円 900万円超950万円以下 2万円 950万円超1000万円以下 1万円
参考:

もし確定申告しなかった場合は?

2019年6月、仮想通貨取引に関する申告漏れが報道されました。全11国税局と沖縄国税事務所が、仮想通貨交換業者から任意提出された顧客の取引データや独自に集めた情報に基づき税務調査を行い、個人および法人に対して申告漏れを指摘したというものです。

また、2019年3月成立の「改正国税通則法」で、仮想通貨交換業者を含む事業者への問い合わせに関する法的根拠が明確化されました。顧客の申告漏れ割合が高いと見込まれる場合や、違法取引の疑いがある際は、正当な理由なく情報提供を拒んだ事業者に対する罰則も設けられています(2020年1月から適用)。

今後さらに、仮想通貨交換業者に対する問い合わせや国税庁による独自調査が行われ、個人・法人を問わず仮想通貨取引に関する実態が把握される可能性が極めて高い状態となることが考えられます。

確定申告が遅れたり、行わなかったりした場合「無申告加算税」を課される可能性がある

確定申告が遅れたり、行わなかったりした場合、「無申告加算税」、「重加算税」、「延滞税」が課される可能性があるほか、悪質とみなされた場合起訴され刑事罰が課されることになります。所得税の累進課税による納税とは別途、加算税や延滞税の金額が大きくなる可能性があるので、遅れることなく必ず確定申告を行いましょう。

参考:

無申告加算税・重加算税

ビットコインなど仮想通貨で得た利益について、法定申告期限までに確定申告を行うのを忘れてしまった場合は、期限後申告として扱われます(国税庁「確定申告を忘れたとき」)。

期限後申告、また無申告のため税務署から所得金額の決定を受けると、納税金額以外に「無申告加算税」あるいは「重加算税」が課される可能性があります。期限後申告によって納める税金は、確定申告書を提出した日が納付期限となっており、法定納期限の翌日から納付日までの延滞税も納付する必要がある可能性があります。

重要な点は、法定申告期限から1ヵ月以内に自主的に期限後申告を行った場合には無申告加算税が課されないこと、税務署による調査前に自主的に期限後申告を行った場合には、無申告加算税の金額が軽減されることです。確定申告を忘れてしまった場合は、1日でも早く期限後申告を行いましょう。

各年分の無申告加算税は、納付税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%を乗じて計算した金額になります(原則)。税務署の調査前に自主的に期限後申告を行った際は、無申告加算税は5%を乗じて計算した金額に軽減されます。

重加算税では、仮装・隠蔽があった場合に、後述の過少申告加算税などの代わりに35%、または、無申告加算税の代わりに40%を乗じ計算した金額が課されます。

参考:

確定申告の内容を間違えていたとき

確定申告書の提出後、計算間違いなど内容の誤りに気が付いた場合は、申告内容を訂正する手続きを行えます。税額を多く申告していた場合は「更正の請求」、税額を少なく申告していた場合は「修正申告」になります。更正の請求書・修正申告書については、国税庁ホームページの国税庁 確定申告書等作成コーナーで作成できます。

修正申告

修正申告で納付する新たな税額は、法定納期限の翌日から修正申告書を提出する日までの期間について、延滞税とともに納付する必要があります。

また期限後申告後の修正申告だった場合や、国税局(国税事務所)や税務署から調査の通知を受けた後で修正申告を行った場合は、新たに納める税額以外に過少申告加算税や重加算税が課される可能性があります。

更正の請求

確定申告書提出後で、税額を多く申告していたと気が付いた場合、「更正の請求」という手続きを行い正しい税額に訂正を求めることができます。請求可能な期間は、法定申告期限から原則5年以内です。

税務署が請求内容の検討し、納め過ぎの税金などを認めた場合、減額更正として税金を還付します。ただし、所得金額の増減や所得控除の追加があっても、最終的な税額が変わらない場合は、更正の請求は行えません。

参考:

どのような場合に課税となるのか?仮想通貨に関する所得の計算方法

仮想通貨で利益を得るケースとしては「仮想通貨交換業者」を利用した「仮想通貨の売買(取引)」が考えられます。この場合、仮想通貨の購入額と売却額の差が利益となります。

重要な点は、「売却」が「日本円などの法定通貨への換金」を指していることです。仮想通貨交換業者から出金した時点ではなく、仮想通貨を日本円などの法定通貨と交換した時点で利益が確定したとみなされ課税されます。

また、毎年1月から12月までに成立(約定)した取引が課税対象となります。例えばDMM Bitcoinであれば、2018年度の年間取引は、2018年1月1日7時0分0秒から2019年1月1日6時59分59秒までに約定した取引となります。これら取引について「移動平均法」と「総平均法」のどちらかの計算方法で利益を算出し、1年間の合計額を申告する必要があります。

参考:

「移動平均法」と「総平均法」に関する届け出

国税庁では、「[手続名]所得税の仮想通貨の評価方法の届出手続」において、仮想通貨を取得した方を対象に、総平均法・移動平均法のどちらを評価方法とするか選択する届出書を配布しています。提出先は納税地を所轄する税務署です。提出時期は、仮想通貨を新たに取得した日、保有済み仮想通貨とは異なる仮想通貨を取得した日が属する年分の確定申告期限までとなっているので、確定申告と同時期に届け出るといいでしょう。

注意点は、仮想通貨の種類ごとに評価方法の選択が必要なこと、この届出書により評価方法を選定しなかった場合には、総平均法によって評価する旨が示されていること、後述の「[手続名]所得税の仮想通貨の評価方法の変更承認申請手続」の申請書の提出時に、「3年」という審査基準が設けられていることの3点です。仮想通貨取引の初心者の場合は、総平均法を選択し、不安点があれば税務署または税理士に相談するという方が安心でしょう。

現在採用している評価方法を変更する場合は、「[手続名]所得税の仮想通貨の評価方法の変更承認申請手続」の申請書の提出が必要となっています。こちらは審査基準があり、「申請書が、現在の評価方法または償却方法の採用から(原則として)3年を経過して提出されているか」、「評価方法の変更後も所得金額の計算が適正に行われるか」などが審査されます。

参考:

総平均法とは?

総平均法は、1年間に購入した仮想通貨の合計数量と購入金額の合計(=取得価額相当額)を基に総平均単価を計算するという方法です。DMM Bitcoinでは、これら計算を行い、確定申告に利用できる書類として「年間損益報告書」を用意しています。

DMM Bitcoinの年間損益報告書では、仮想通貨(現物)の平均取得単価は「総平均法」で計算しています。年間損益報告書は、「PC版取引システム」の「メニュー」内の「報告書」からPDFファイルとしてダウンロードできます(スマートフォンやタブレットではダウンロードできません)。

DMM Bitcoin以外にも、複数の仮想通貨交換業者で仮想通貨取引を行っている場合は、国税庁の「仮想通貨に関する税務上の取扱い及び計算書について(平成31年2月)」ページにある「仮想通貨の計算書(総平均法用)」(エクセル用xlsxファイル)を利用しましょう。国税庁の「年間取引報告書を活用した仮想通貨取引に係る申告手続の簡便化(イメージ)」では、各仮想通貨交換業者の年間取引報告書(DMM Bitcoinの場合は「年間損益報告書」)の記載内容を統一しており、「仮想通貨の計算書」で仮想通貨の所得を自動計算できることが示されています。

仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)(平成30年11月)」に従い、この計算書に各仮想通貨取引所の年間取引報告書にある金額を入力していくと、仮想通貨の所得金額を算出できます。

また「交換業者が年間取引報告書を交付 仮想通貨の確定申告手続きを簡素化」(財務省広報誌「ファイナンス」平成31年1月号特集)には、仮想通貨で買い物を行った際に「仮想通貨の計算書(総平均法用)」にどのように入力するといいのか触れており、参考になるでしょう。

移動平均法とは?

移動平均法は、仮想通貨を購入するたびに取得価額を算出し、1年間の平均取得単価を計算する方法です。実際の売却時の平均取得単価に近い単価で損益を計算する場合は、移動平均法による計算の方が正確に計算できます。

複数の仮想通貨交換業者での取引やマイニングで得た仮想通貨をDMM Bitcoinに入庫した場合などは、DMM Bitcoinが用意した年間損益報告書を確定申告に利用することはできません。この場合「損益計算用データ」をダウンロードし、自分で移動平均法で計算する必要があります。

損益計算用データは、「PC版取引システム」の「メニュー」内の「報告書」からPDFファイルとしてダウンロードできます(スマートフォンやタブレットではダウンロードできません)。

参照:

損益計算用データには年間損益を計算するための「約定履歴(TRADE_RECORD_LIST)」と、ウォレット口座およびトレード口座の「キャッシュフロー履歴(CASHFLOW)」の2種類のデータが含まれています。

国税庁の「仮想通貨に関する税務上の取扱い及び計算書について(平成31年2月)」ページにある「仮想通貨の計算書(移動平均法)」を利用し、仮想通貨の所得を計算できます。

参照:

ビットコインで商品やサービスを購入

ビットコインなどの仮想通貨で、商品やサービスを購入した場合、課税の対象となります。

保有する仮想通貨で商品を購入した場合、保有する仮想通貨を売却したことになります。この時の所得金額は、仮想通貨の支払い数量の価格(譲渡価格)と、仮想通貨の取得価格との差額になります。

【計算式】
・商品価格(消費税込み)- ビットコイン1BTCあたりの取得価格 ×支払い数量 = 所得金額
参考:

ビットコインと他の仮想通貨の交換

保有するビットコインと他の仮想通貨Aを交換した場合は、ビットコインで仮想通貨Aを購入したことになります。前述した「ビットコインで商品・サービスを購入」と同様に所得金額を計算する必要があり、課税の対象になります。

【計算式】
・仮想通貨Aの購入価格 - ビットコイン1単位あたりの取得価格 ×支払い数量 = 所得金額

「仮想通貨Aの購入価格」は、取引時点で同数量の仮想通貨Aを日本円で購入する場合の支払い総額となります。

参考:

仮想通貨の取引による損失は、翌年以降に繰り越せない

仮想通貨の取引で発生した損益は、仮想通貨と同じ雑所得の中で通算できます。ただし、雑所得以外の所得区分の所得から損益通算(差し引くこと)は行えません。

また、仮想通貨の取引による所得は、総合課税の対象となる雑所得であるため、その損失を翌年以降に繰り越すことはできません。不安な方は、税務署または税理士に必ず相談しましょう。

参考:

■仮想通貨の証拠金取引は、申告分離課税の対象とはならないため、総合課税で申告

仮想通貨の証拠金取引(DMM Bitcoinのレバレッジ取引に該当)による所得は、申告分離課税の適用はなく、総合課税で確定申告を行う必要があります。

租税特別措置法上、申告分離課税(先物取引に係る雑所得などの課税の特例)の対象は、金融商品取引法などに基づく「商品先物取引等」、「金融商品先物取引等」、「カバードワラント」の取得とされています。仮想通貨の証拠金取引は、これら取引に該当しないため、申告分離課税の適用はありません。

参考:

確定申告は、いつどうやって行うといいのか?

所得税の確定申告とは、毎年1月〜12月までの1年間で得たすべての所得を計算し、翌年の受付期間(2月16日〜3月15日)に国に支払う税金を申告・納税するという手続きです。2019年度(令和元年度)分の場合は、2020年3月16日(月曜日)が確定申告の期限(法定納期限)です。

参考:

給与所得者の場合約20万円以上の所得が発生すると、所得税(雑所得)がかかり確定申告を行う必要があります。

給与所得のある会社員であれば、会社から発行された源泉徴収票が確定申告の際に必要となるので、忘れないようにしましょう。また、ビットコインなどの仮想通貨の投資で得た利益を計算して、確定申告会場に行けば税務署や申告用の会場で申告用紙に記入することもできます。

税務署の開庁時間は平日の午前8時30分から午後5時までのため、確定申告は平日に行うことになります。自治体によっては、確定申告期間中に土曜日や日曜日にも申告できる日を設けることもあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

税務署や申告会場に行くのが面倒なら、国税庁の国税電子申告・納税システムであるe-Taxを利用すると、インターネットで確定申告を完了できます。ただし、この方法では、マイナンバーカードとそれを読み込むカードリーダーが必要になります

また平成30年分のものになりますが、確定申告書等作成コーナーには、記入例として「仮想通貨の取引に係る収入がある場合」ページが設けられています。確定申告を行う際には、前述の「仮想通貨に関する税務上の取扱い及び計算書について(平成31年2月)」ページにある「仮想通貨の計算書(総平均法用)」、仮想通貨の計算書(移動平均法)で仮想通貨の所得額などを事前に算出しておき、このページを参考に記入を行っていきましょう。

なお、仮想通貨の計算書を確定申告書に添付して提出する必要はありません。

参考:

仮想通貨に関する税金や確定申告を理解すると、安心して取引できる

仮想通貨を使った資産運用を行う上で、税金や確定申告について理解すると安心して取引できます。ビットコインなど仮想通貨を売却し利益を出した場合、そのすべてが課税対象になるわけではありません。取引に要した経費に関しては控除対象となる可能性があるため、きちんと申告しましょう。また、税務申請の詳細については、必ず税理士か税務署にご相談ください。

参考:

仮想通貨の税制は、株式など他の資産運用手段に見られる税制上の優遇措置が未整備な状況にあります。ただし2019年現在、仮想通貨税制の改善を求める動きが活発化しているため、今後の動向に注目しておくといいでしょう。

例えば、日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)は2019年7月、仮想通貨を申告分離課税の対象とし、譲渡損失の損益通算や繰越控除を求める「税制改正要望書」を金融庁に提出しました。日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)も同じく7月に、仮想通貨取引で得た利益に対する課税を20%の申告分離課税とすることなどを求めた「2020年度税制改正に関する要望書」を公開しています。

これら取り組みなどを通し仮想通貨税制が改善していくと、仮想通貨市場に対する投資家の参加が促進され、活性化が進むかもしれません。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

今、仮想通貨を始めるなら
DMMビットコイン