ビットコインの価格変動を探る手がかりは?中長期相場の分析手法
仮想通貨交換業者のWEBサイトには、仮想通貨の価格変動を示す「チャート」や「レート」が掲載されています。仮想通貨取引において重要な情報源であるため、初心者の方はまずチャートとレートでどのような情報を得られるのか、身につけることから始めるといいでしょう。また中長期的な価格予想には、多くの関連情報から価格動向を予測するファンダメンタルズ分析も必要となります。この点についても紹介しましょう。
仮想通貨のチャート(相場)・レート(価格)とは?ビットコイン取引価格の過去・現在を確認
DMM Bitcoinをはじめ、仮想通貨交換業者のWEBサイトには、仮想通貨の価格変動を示す「チャート」や「レート」が掲載されています。これらはビットコインなど仮想通貨取引を行う際に売買のタイミングを図る重要な情報源であるため、仮想通貨取引の初心者の方は基礎知識として学んでおいた方がいいでしょう。
さらに仮想通貨のテクニカル分析は、注目ポイントや分析方法が株式やFXなどとあまり変わらない傾向にあるため、過去にこれら投資経験がある方なら、その知識を活用しやすいでしょう。
「ビットコイン/円のリアルタイムチャート(相場)・レート(価格)」を確認する
DMM Bitcoinでは、仮想通貨の相場の経過を表すチャートとして、「ビットコイン/円(BTC/JPY)のチャート(相場)(現物)」および「ビットコイン/円(BTC/JPY)のチャート(相場)(レバレッジ)」のように、株式などでもよく知られている「ローソク足」チャートを利用しています。
このチャートでは、1分・5分・10分~日・週・月など特定期間における値動きを「ローソク足」(ろーそくあし)と呼ばれる棒状の図をグラフ上に並べ相場を表現しています。グラフの右端にある縦軸はビットコイン/円(BTC/JPY)という「通貨ペア」の価格、またグラフ下部の横軸は時間を表しています。
1つのローソク足は、「始値」(はじめね)、「終値」(おわりね)、「高値」(たかね)、「安値」(やすね)で構成されています。太い棒部分は「実体」と呼ばれ、1つのローソク足の期間における始値と終値を表します。また実体から上下に伸びる線があり、上の線は「上ヒゲ」、下の線は「下ヒゲ」と呼ばれます。上ヒゲは期間中の高値、下ヒゲは安値を表します。
ローソク足はリアルタイムで描画されており、実体が長ければ長いほど、特定期間内の値動き(価格の変動)が大きく、ヒゲが長いほど価格が安定していないことが分かります。
DMM Bitcoinの「ビットコイン/円(BTC/JPY)のチャート(相場)」では、終値が始値よりも高い(値上がり)時には、青塗りの「陽線」になります。また、終値が始値よりも低い(値下がり)時には、赤塗りの「陰線」で表現されています。
またパソコン向けの「PC版取引システム」と、スマートフォン向けの「スマートフォン版取引システムアプリ」では、終値が始値よりも高い(値上がり)時には、赤塗りの「陽線」、終値が始値よりも低い(値下がり)時には、青塗りの「陰線」となっています。
「ビットコイン/円(BTC/JPY) のレート(価格)(現物)」「ビットコイン/円(BTC/JPY) のレート(価格)(レバレッジ)」で表示されている数値や、上向き・下向きの三角形は、上下のヒゲの値動きの基となっている価格を数値のまま表現したものにあたります。ローソク足チャートは、一目見るだけで多くの情報を得られますが、時には具体的な数値を確認したい場合もあります。そんな時は、ローソク足チャートとともにプライスパネルを確認するといいでしょう。
「ビットコイン/円(BTC/JPY) の現物・プライスパネル」と「ビットコイン/円(BTC/JPY) のレバレッジ・プライスパネル」は、先に挙げた「ビットコイン/円(BTC/JPY)のチャート(相場)」の価格情報をすべて数値でリアルタイムに表示したものになります。注目している仮想通貨だけでなく、DMM Bitcoinで扱っている通貨ペアすべてをコンパクトなスペースで一覧できます。
テクニカル分析とは?
テクニカル分析とは、過去発生したパターンなど、チャート上の価格や各種指標の推移に着目し、将来も似た法則性をともなった展開になるという前提で、今後における価格推移の方向性と、現状の価格が割安か割高かについて予測・判断を行います。
例えば、直近の高値で手を出したものの、その後の下落で損失を抱えた投資家が多数存在しているとしましょう。この場合、元の高値水準まで価格が回復してくると、損失から開放された投資家から売りが出やすくなり、上昇が途絶えてしまうというパターンが見られます。
しかし、それら売りに押さえられることなく直近の高値を上回ると、テクニカル分析では上昇が本格化したと判断します。先々で右肩上がりの展開が予想され、なおかつ現状の価格が割安との判定になれば、大幅な上昇が期待できるといえるでしょう。
ただし、チャートのみに着目した判断はあくまで傾向分析にすぎません。例外的なパターンも発生するため、テクニカル分析ではそれらを「騙し」と呼び、避けられないエラーとして捉えます。
仮想通貨のテクニカル分析のメリットは、注目すべきポイントや具体的な分析方法が株式やFXなどとほとんど変わらないことです。それらの投資経験がすでにある方なら、仮想通貨のテクニカル分析を難なく行えるでしょう。
ビットコインの価格変動のトレンドを知るには?
ローソク足チャートを利用した分析は、短期的な取引のタイミングを知る手立てとして役立つものの、中長期的な仮想通貨の価格動向を把握したい場合には、他の情報源を参考にする必要があります。その1つが、関連情報を収集し価格傾向を検討する「ファンダメンタルズ分析」です。
技術的、時事的な要因など関連情報を探る「ファンダメンタルズ分析」
ファンダメンタルズ分析は、中長期的な価格予想に有効とされる手法で、多くの関連情報から価格動向を予測します。
投資の世界で利用される分析方法の1つで、例えば株式投資では、株価に影響しやすい世界・国別の経済環境、個別企業の業績・財務に対する評価を分析します。FXであれば、為替相場への影響要因となるグローバルな経済状況、通貨発行国ごとの経済に注目します。
仮想通貨の場合は、基盤技術であるブロックチェーン関連、例えばライトニングネットワークやハードフォーク(分岐)などの技術関連情報、仮想通貨関連の法律・規制などの情報を基に分析することになります。ビットコインに限らず、仮想通貨の将来性を感じさせる情報・ニュースであれば、価格上昇の要因となる可能性があります。また著名な仮想通貨がハードフォークにより混乱が生じたなどのニュースがあれば、一時的に価格が下降する要因になりえます。
またここ数年は、仮想通貨業界以外の重要人物の発言、米中貿易戦争など時事的な出来事の影響も注目され始めており、より多面的に情報を収集し判断する必要性が増しているといえるでしょう。
次は2020年4月実施?ビットコインの「半減期」は4年に1度必ず発生
ビットコインの価格動向に影響しそうな大きな要因として、ビットコインの半減期があります。ビットコインでは、約4年に1度マイニング(採掘)におけるマイナーへの採掘報酬が半減するように決められています。次の半減期は2020年にあると予測されており、マイニング報酬が12.5BTCから6.25BTCに半減します。
マイナーにとっては収益性が大きく低下するため、ビットコインを行うマイナーの減少、ビットコイン以外への移行などが考えられ、価格にどのような影響を与えるか議論が続いている状況です。
ブロックチェーン技術の動向にも注目
ビットコインが関連する技術動向で参考になる存在は、将来的な展望としては「ライトニングネットワーク」があります。
ライトニングネットワークは、少額決済・少額送金に向けた手数料低減、トランザクション処理高速化を目指す仕組みです。現在は登場したばかりの技術ですが、ビットコインの利便性を向上させるものとして、対応を行う企業が増え、徐々に利用されるようになっています。将来の価格動向を検討する上では、見逃せない技術といえるでしょう。
仮想通貨関連の法律・規制
仮想通貨に関するファンダメンタルズ分析では、各国の法律・規制動向は重要な情報となります。例えば過去には、中国(2017年)が仮想通貨規制強化を打ち出したことで、価格変動が起こりました。また2019年8月現在では、インドで厳しい規制強化法案が提出されており、その動向が参考になる可能性があります。
日本の場合は秋以降の「FATF第4次対日審査」にも注目
日本の場合は、金融庁による規制動向を含め「FATF第4次対日審査」にも注目すべきでしょう。
各国のマネーロンダリング対策やテロ資金供与対策などを審査する政府間会合として、「金融活動作業部会」(FATF)が存在しています。そのFATFの審査団が2019年10月28日~11月15日予定で来日し、FATF第4次対日審査を実施する予定なのです。
FATF第4次対日審査には、仮想通貨交換業者が審査対象に含まれており、審査結果次第では市場における日本の存在感が増すと期待されています。
審査結果は「相互審査報告書」としてまとめられ、2020年6月頃にFATF全体会合での討議・採択を経て、2020年8月頃には審査報告書を公表予定となっています。仮想通貨の価格に直接関連するものではありませんが、その結果次第では、日本の仮想通貨市場にとって前向きなニュースをもたらすことが考えられます。
重要人物の発言や米中貿易戦争などの時事的要因も
仮想通貨取引の初心者の方は、仮想通貨関連の著名な開発者・投資家がSNSで発言し、価格変動に影響を及ぼす可能性がある点を覚えておきましょう。
また昨今では、投資の神様として知られる投資家ウォーレン・バフェット氏、FRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長など仮想通貨について意見を述べる著名人が増えつつあります。
時事的なニュースについても同様で、米中貿易戦争の影響で、資産の多様化のために仮想通貨投資が利用されているという見方について議論されています。
知識と情報を基礎にした、冷静な判断こそが最も重要
仮想通貨取引では、チャートを用いたテクニカル分析、中長期的な価格予想に有効とされるファンダメンタルズ分析が売買の判断に大きく役立ちます。仮想通貨取引の初心者の方は、まずチャートやレートについて学び、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析を身につけるといいでしょう。
ファンダメンタルズ分析では、ブロックチェーン技術、各国の法律・規制状況に関する情報を収集する必要がある点も覚えておきましょう。技術あるいは法律に関する情報は難解なものも少なくありませんが、将来の価格動向の把握には参考になります。
また、知識と情報に加えて、冷静な判断が最も重要である点は、仮想通貨取引も他の投資と変わりありません。どのような情報に接した際にも、落ち着いて検討を重ねて仮想通貨取引を行っていきましょう。
ファンダメンタルズ、テクニカル分析について興味を持たれた方は「暗号資産(仮想通貨)のファンダメンタルズ分析、テクニカル分析とは?」もご参照ください。
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