イーサリアムとビットコインの違いは?特徴や仕組みから解説

イーサリアム
ビットコイン
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2024-08-31 更新

イーサリアム(ETH)はビットコイン(BTC)と目的や用途が大きく違う暗号資産(仮想通貨)です。ビットコインが価値の交換や保存といった決済用途がメインであることに対し、イーサリアムはプラットフォームとしての利用が想定されています。イーサリアム独自の特徴を理解して、情報収集を進めていきましょう。

ビットコインとイーサリアムは何が違う?

ビットコインとイーサリアムは、目的や用途がそれぞれ大きく違う暗号資産(仮想通貨)です。どちらがより優れている、より劣っているというわけではなく、それぞれの特徴に合わせた活用が進められています。まずは簡単に両資産の最も大きく異なる点を解説します。

イーサリアムはアプリケーションプラットフォーム

イーサリアムは純粋に送金を目的としたビットコインブロックチェーンとは異なり、様々なサービスで利用できる通貨のような働きが想定されています。

イーサリアムの技術基盤となっているブロックチェーンはプラットフォーム型と呼ばれ、イーサリアムブロックチェーン上に構築されたDeFi(分散型金融)やGameFi(分散型ゲーム)のほか、分散型SNSのようなDApps(分散型アプリケーション)を構築し動かすことができます。

そして、そのサービスを利用する際には常に暗号資産「ETH」が必要になります。ETHは、ネットワーク上のトランザクション手数料として使われ、アプリケーションの機能を実行するための燃料(ガス)としても必要です。

ビットコインは通貨としての利用が目的

ビットコインは、世界で初めて実装された暗号資産で、主に価値の交換や保存に向いており、決済手段としても用いられます。

ビットコインの考案者は、サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)です。サトシ・ナカモトが個人なのか、グループなのかさえ今も明らかになっていませんが、その内容に共感した有志のエンジニアたちによってビットコインとして実装されました。

このような起源から、現在も企業や財団によってプロジェクトの方針決定や管理が行われていないことが大きな特徴です。

また、ビットコインの開発者は30人程度の少数精鋭ですが、現在も積極的な開発が進められています。

ビットコインは世界で最もメジャーなブロックチェーンプロジェクトでもあり、そこで流通するおなじみのBTCは、最初に発行されてから15年以上もの間、時価総額第1位をキープしています(2024年7月現在)。

イーサリアムの特徴

アルトコイン」の代表格でもあるイーサリアムは、2018年2月以来、ビットコインに次ぐ時価総額第2位を不動のものにしています。

イーサリアムの考案者はヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)という人物です。彼は若干19歳の時にイーサリアムを開発しました。現在はイーサリアム財団(Ethereum Foundation)が開発主体となっています。

イーサリアムブロックチェーンはプルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake:PoS)というネットワーク方式を採用しており、ビットコインと比較して、ネットワークの維持にかかる電力消費が99%以上抑えられるほか、拡張性が高く、スケーラビリティ問題といった課題の解決を本質から目指すことが可能です。

また、イーサリアムには、暗号資産(仮想通貨)としての側面だけでなく、独自にトークンスマートコントラクトを活用し、ブロックチェーンプラットフォーム上でアプリケーションを構築・稼働させることが可能です。

イーサリアム上で発行されたトークンは、代表的な規格であるERC-20だけでも120万種類を超えています(2024年7月時点)。

あらゆる取引を自動実行する「スマートコントラクト」

イーサリアムがプラットフォームとして利用できるのはなぜでしょうか?それは、仲介者を必要とせず、取引(契約)を自動実行し、ブロックチェーンに履歴を記録できる「スマートコントラクト」という仕組みを備えているからです。

単純な例を挙げると、ボタンを押すと、飲み物を自動で販売する自動販売機等を思い浮かべるといいでしょう。この仕組みを高度に発展させることで、独自のアプリケーションを開発することができます。

実際にイーサリアム上でスマートコントラクトを実装する際は、JavaScriptに似た専用のプログラミング言語である「Solidity(ソリディティ)」が使用されます。他にも、Python(パイソン)というプログラミング言語によく似た言語Vyper(バイパー)にも対応しています。

DeFi(分散型金融)をはじめとしたDApps

イーサリアムからはDeFi(分散型金融)をはじめとした次々と新しいサービス分散型アプリケーション(DApps)が生まれています。

DeFiは「分散型」という言葉の通り、中央集権的な管理者なしで金融サービスを提供する仕組みのことをいいます。スマートコントラクトを利用することで銀行等の管理主体なしでもレンディングをはじめとした金融サービスを可能にしています。

また、ブロックチェーン上で稼働しているスマートコントラクトを活用して構築されたアプリケーションは、DApps(分散型アプリケーション)と呼ばれています。

DAppsはDeFiの他にも、ゲームやアート分野にも応用されており、イーサリアム上で稼働するDAppsは2024年7月時点でおよそ4700種類も存在します。

まとめ

ビットコインはブロックチェーン上での送金や通貨としての利用を目的にしていることに対し、イーサリアムはブロックチェーン上に構築されたDAppsを利用することができる点が大きな違いです。

どちらがより優れている、あるいはより劣っているかという視点ではなく、開発された目的や用途が異なる点に着目する必要があります。イーサリアムについて知りたい場合は、プラットフォームであることや、その上で動作するスマートコントラクトやDAppsの動向も意識した情報収集を行いましょう。

また、イーサリアムはまだまだ発展途上の技術でもあり、今後のアップデートに大きな期待が寄せられているのも事実です。アップデート自体が価格変動のリスクとなる可能性があるため、取引を行う際は最新情報の収集を行うようにしましょう。

イーサリアムのDApps について興味を持たれた方は「DAppsとは何か?その仕組みや特徴を解説」もご参照ください。

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