ライトコイン(LTC)の採掘にはマイニングプールがよい?
ビットコインをベースにその難点に着目して開発された仮想通貨ライトコインの(Litecoin=LTC)ですが、マイニング(採掘)の対象としてもマイナー(採掘者)たちが注目しています。
しかも、2018年現在では、ビットコインと比較するとマイニングにおける競争率はそれほど高くなく、意外と気軽に挑戦できると言われています。そして、ライトコインのマイニングにはマイニングプールと呼ばれるスキーム(仕組み)を用いるのがよいとされています。その理由やマイニングプールの利用法について見ていきましょう。
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ライトコイン(Litecoin)とは?
ライトコインはアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)の一種で、ビットコイン誕生の2年後に当たる2011年10月に公開されており、2018年6月時点で第6位の時価総額を誇っています。2017年の12月にビットコインやアルトコインが急騰した局面では、特に目立った上昇を遂げており、日本以上に米国などで支持されています。
ライトコインはビットコインのソースコード(プログラミング)をもとに開発されています。ただし、暗号方式は、ビットコインのハッシュ関数であるSHA-256とは異なり、Scryptが採用されています。
ライトコインの特徴は、送金に要する(取引が承認されるまでの)時間がはるかに短いことです。ビットコインの送金では約10分かかるのが通常で、ブロックの空き容量が不足してくるとさらに時間がかかってしまいます。これに対し、ライトコインの場合は約2分半で送金が完了するのです。
それは当然のことで、ライトコインはビットコインのネックである送金時間の長さの改善に着目して開発されました。そのコンセプトは、「ビットコインを金にたとえるなら、ライトコインは銀を目指す」というものでした。貴金属の世界では、銀のことをPoor's gold(貧者の金)を呼んでいます。ビットコインよりも身近な存在で、誰でも気軽に接することができる仮想通貨を追求して開発されたとも言えそうです。
また、ライトコインのマイニング(採掘)はビットコインと比べれば競争率もそこまで高くなく、マイニングプールというスキームなら、個人の家庭向けPCでもコンスタントな収益を期待することも可能と言われています。
ライトコインのマイニング方法と種類について
そもそもマイニングは「採掘」と訳されるものの、正確に説明すると、ブロックチェーン上のブロック(台帳・帳簿)内において、「新たなトランザクション(取引)に関するデータを追加・確認・検証する」という作業を意味しています。
ビットコインやライトコインのような仮想通貨は、一定間隔ですべてのトランザクションを記録し、それらの整合性を一つ一つ確認しています。その作業を行っているのがマイナー(採掘者)であり、彼らがそのような作業に参加するインセンティブ(誘因)は、報酬として支払われる新たなコインです。
ただし、コインをもらえるのは、整合性確認のための演算作業とトランザクション処理を誰よりも早く終えたマイナーだけです。こうしてマイナーたちを競わせながら分散管理を行うことで、改ざんなどが発生しない環境を作り上げているのです。
先にも述べたように、ライトコインのトランザクションの承認に要する時間はビットコインの約4分の1です。それは、マイニングに要する時間が短いことを意味しています。デイフィカルティ(マイニングの難易度)と呼ばれる数値をビットコインの4分の1に調整しており、それに伴って発行数量の上限も4倍になっています。
ソロマイニングのメリットとデメリット
ライトコインのマイニング方法は、①ソロマイニング、②クラウドマイニング、③マイニングプールという3つがあります。このうち、①のソロマイニングは自分一人が単独でライトコインを採掘するものです。当然、マイニング用の機材などはすべて自前で用意することになりますし、軽視できない電気代も自分持ちです。
ビットコインと比較すれば、ソロマイニングによるライトコインのマイニング成功確率は高いと言われていますが、それでも人気とともに難易度が高まっています。個人レベルでは決して確率が高くないのが現実ではあるものの、成功すればマイニングの報酬は自分だけのものとなります。
しかしながら、仮想通貨の黎明期はともかく、かなり普及が進んだ今はマイニングの専門会社や企業のマイニング部門が大きなシェアを握り、個人レベルでは太刀打ちできないのが実情です。仮想通貨のマイニングではマシンの処理能力の高さが成功確率を左右するため、電気代の安い海外で大がかりな設備を稼働させているところが圧倒的に有利なのです。
ライトコインのソロマイニングは個人所有のPCでも可能ですが、やはり収益性を追求すればASICと呼ばれるマイニングツールやメモリの増設などが求められてくるので、結構な初期投資が必要になることを覚悟したほうがいいでしょう。電気代も含めたコスト負担がかさみ、マイニングの報酬が得られても赤字の状況が続く可能性も考えられます。
クラウドマイニングのメリットとデメリット
②のクラウドマイニングは、マイニングを手がけている事業者に出資するという形態になっています。そして、その事業者が獲得したマイニング報酬の一部が出資額に応じて分配されるというものです。
つまり、自ら直接ではなく、間接的にマイニングに関わって、その恩恵を受けるという仕組みになっているのです。これならビギナーでも気軽に始められますし、初期投資や電気代などのコスト負担も不要です。しかしながら、事業者が経営破たんすると出資したお金が戻ってこない恐れがありますし、クラウドマイニングを巡っては詐欺行為も横行しています。出資金だけを受け取って、実際にはマイニングを行っていないというケースもあるので注意したいところです。
マイニングプール
③のマイニングプールは、複数のノード(仮想通貨のネットワークに参加しているコンピュータ)によってコミュニティを形成し、チームプレイで協力しながらマイニングを行う方法です。報酬として受け取った仮想通貨は、マイニングプールに参加している全員で山分けするようになっています。
ただし、無条件で均等に分配するわけではなく、報酬が発生したマイニング作業に対する貢献度に応じて分け前が違ってきます。したがって、より高いスペックで処理速度の速いPCを用いたほうが報酬面で有利と言えそうです。
マイニングプールの魅力は、ソロマイニングよりもマイニングの成功確率が高いことです。マイニングで着実に報酬を得るためには、できるだけ短時間で膨大な量の演算をこなさなければなりません。当然、それを1台のマシンでこなそうとしたらすさまじい負荷がかかってしまいます。
その点、複数のPCで分担し合えば、1台当たりの演算量は抑えられ、それだけ処理も速くなります。つまり、整合性確認のための演算作業とトランザクション処理を誰よりも先に終えて、マイニングに成功する確率が高くなるわけです。言い換えれば、マイニングプールはソロマイニングよりも収益性が高いとも言えるでしょう。
なお、マイニングプールにもいくつかのデメリットがあります。まず、①のソロマイニングと比べればまだマシだと言えるものの、スペックがあまり高くないPCの場合はCPU使用率が高くなってしまい、動作が不安定になる恐れがあります。他の用途にも使用しているPCでマイニングプールに参加するのは避けたほうが無難で、マイニング専用のハイスペックマシンを用いるのが大前提でしょう。
また、ソロマイニングと同様に自前のPCでマイニングに取り組むので、それなりの電気代がかかってくるため、その分だけ収益性は低下します。
個人レベルで採掘収益を追求したい場合、ソロマイニングやクラウドマイニングよりもマイニングプールのほうが相対的に有利なのは、ライトコインだけに限った話ではなく、他の仮想通貨においても言えることです。ただ、前述したようにライトコインはビットコインと比べて送金時間が短くて採掘しやすく、マイニングの対象として注目されがちであるだけに、特に意に止めて置いたほうがいいでしょう。
ライトコインのマイニングプールにおける注意点
マイニングプールでは、ハッシュパワーの数値が成否を大きく左右します。ハッシュパワーが高いと、マイニングに成功する可能性が高くなるのです。
ハッシュパワーとは、マイニングにおける演算速度の測定単位です。単位は hash/s で、たとえば1hash/sなら1秒間に1ハッシュの計算ができることを意味しています。k(キロ)・M(メガ)・G(ギガ)・T(テラ)も併せて用いられ、10T hash /sなら1秒間に約10兆回ものハッシュの計算ができるということになります。
ハッシュパワーが低ければ、おのずとマイニングの成功確率も低くなり、報酬面も期待できなくなります。最悪の場合、電気代のほうが高くついてしまって、赤字の状況に陥る可能性も考えられます。
もちろん、参加者が多いほどマシン1台当たりの負荷が減りますから、その点にも目を向けるべきでしょう。要するに、マイニングプール選びの決め手となってくるのは、参加者の数とハッシュパワーの数値だということです。
それから、マイニングプールではチームプレイが展開されるわけですから、極端に自分の所有するマシンの能力が低いと足を引っ張ってしまう格好になりますし、前述したように貢献度に応じて報酬が決まってくるので、多くを望めなくなってしまいます。やはり、相応のスペックが備わったマシンで取り組むのが望ましいでしょう。
また、マイニングプール選びではサーバーの安定性も重視したいところです。もしもサーバーがダウンしてしまうとさまざまな処理が滞ってしまい、報酬として得られたコインの取引ができない、マイニング自体が止まるといった状況に発展しかねません。ネット上の掲示板などで過去のサーバートラブルに関する書き込みをチェックし、評判がよくないマイニングプールは候補から除外しましょう。
一方、日本で運営されているマイニングプールは、当然ながら日本語に対応していることから国内からの参加者も多く、マンパワー的に有利で報酬が相対的に安定していると言えそうです。
ハッシュパワーの高いマイニングプールで安定収益を!
ライトコインは、ビットコイン誕生の2年後に公開されたアルトコインの一種です。そのマイニングはビットコインと比べれば競争率も相対的に高くなく、グループによるチームプレイで協力し合うマイニングプールというスキームを用いれば、個人のPCでもある程度安定的なマイニング報酬を期待できそうです。マイニングプール選びでは、ハッシュパワーの高さと参加者の数、サーバーの安定性を重視するとよいでしょう。もちろん、こうしたことはライトコインだけにとどまらず、他のアルトコインにも共通していることです。
マイニングプールについて興味を持たれた方は「ビットコインのマイニングプールとは?」もご参照ください。
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