暗号資産(仮想通貨)ビットコイン決済とは?使い方やメリット・デメリットを解説
ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)は、商品やサービスを購入するために使うことができます。2023年1月にはイーロン・マスク氏が、将来的にツイッターで暗号資産に対応した決済機能を導入する方針を示したことが報じられました。ただ、ビットコインをはじめとした暗号資産はボラティリティが大きいことなどから、支払い手段としてはまだまだ限定的な普及にとどまることに注意が必要でしょう。
この記事では、こうした注意点も含めて、ビットコインを代表とする暗号資産の決済について、利用方法やメリット・デメリットについてご紹介します。
ビットコインの決済には「ウォレット」が必要
円やドルを持ち歩くには、お財布に紙幣や貨幣を入れますが、暗号資産(仮想通貨)は保管するために「ウォレット」が必要です。
ウォレットは英語で「財布」を表す言葉で、暗号資産を管理・保管する銀行の口座のようなものです。銀行の振込のようにお金を移動させるためには、相手のウォレットのビットコインアドレスを知らなければなりません。
暗号資産交換業者で口座を作ると、暗号資産の購入の際には暗号資産交換業者のウォレットに保管されます。
暗号資産をショッピングで利用するためには、暗号資産交換業者のアプリやウォレットなどから決済ができます。
なお、アメリカなどでは先行して、クレジットカードやネット決済サービスプラットフォームがビットコインなどの暗号資産やステーブルコインで支払えるサービスが開始されています。
ビットコインを使った支払い方法
代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインをDMM Bitcoinで決済に使うには、次の2ステップで行うことができます。
1. ビットコインを購入、または入金する
2. ビットコイン決済に対応している店舗のビットコインアドレスに送付(出金)する
2つの項目を見ていきましょう。
1. ビットコインを購入、または入金する
ビットコインを売買するためには、DMM Bitcoinなどの暗号資産交換業者で口座を開設し、ビットコインを入手する必要があります。DMM Bitcoinでビットコインを手に入れるには「マイページ」からトレード口座にて購入するか、又は、メニューの「BTC入金」にある「お客様の入金アドレス」からビットコイン入金アドレス、または2次元バーコードを利用します。
入金では、DMM Bitcoin外部のウォレットに「ビットコイン入金アドレス」を正確に入力するか、「モバイルウォレット」などでこの2次元バーコードを撮影すると、ご自身のアドレスにビットコインを入金できます。
入金アドレスを利用した場合は、セキュリティやブロックチェーンの仕組み上、反映されるまでに数時間から数日間かかる可能性があります。
2. ビットコイン決済に対応している店舗のビットコインアドレスに送付する
DMM Bitcoinでは、資金を管理する「ウォレット口座」から出金してビットコインを使います。「マイページ」にあるメニューで、「BTC出金」を選び、出金先アドレスに支払い先のアドレスと数量(出金数)を入力してビットコインを送付できます。原則、午後0:00までの出金依頼に関しては、当日中に対応いたします。ただし、各種法令やリスク管理の観点から出金内容について精査を行い、その結果として着金までにお時間をいただく場合がございます。この場合でも出金依頼の翌営業日から起算して、原則として3営業日(土日祝日を除く)以内に送付するようにしております。
暗号資産を使った支払いでは手数料の支払いは必要?
暗号資産を使った支払いにおいては、手数料について注意しなければなりません。例えばビットコインで支払う場合には、暗号資産交換業者のウォレットからビットコインを送付することになります。一部交換業者では、送付額によって、手数料が0.0001〜0.01BTCほどかかります(2023年2月現在)。
サービスによっては、支払う側と受け取る側が同じ暗号資産交換業者を利用していれば手数料はかからないところもあります。さらにビットコインのシステムではマイナー手数料の高い取引から優先的に承認するため、送付額が選択できる交換業者もあります。ビットコインで支払う場合には手数料が無料のところを選んだ方が安く取引ができます。
DMM Bitcoinでは、2023年2月時点で、暗号資産の出金(送付)手数料はDMM Bitcoin以外の外部のウォレットへ出金する場合にも、マイナー手数料を含め無料となっています。
暗号資産で支払うメリット
暗号資産(仮想通貨)を使った決済のメリットには次のようなものがあります。
- 現金を持ち歩く必要がない
- 海外での買い物に便利
- 投資益を利用できる
- 店舗側のアピールポイントにつながる
4つのメリットを以下で説明します。
現金を持ち歩く必要がない
これはクレジットカード決済と同じではありますが、暗号資産の決済では大きな金額の買い物であっても現金を持ち歩く必要がありません。
海外での買い物に便利
暗号資産での決済は海外で買い物する際に手数料を安く、為替レートを気にすることなく決済できます。
海外での決済自体はクレジットカードでもできますが、海外でクレジットカード決済すると手数料が2%前後かかる上、為替の影響を受けてしまいます。
店舗側が対応している必要はありますが、暗号資産決済であれば、国内で支払うのと同じように決済することができ、為替の影響を受ける心配もありません。
投資益を利用できる
暗号資産を購入して利益が出ていれば、その利益を支払いに利用することができます。
しかし、損をしてしまう可能性もあるので注意を払っておくべきでしょう。
店舗側のアピールポイントにつながる
暗号資産決済を導入することは、店舗側にとってもメリットとなる場合があります。
暗号資産決済はクレジットカード決済に比べて決済手数料を安く導入できます。通常、クレジットカード決済は店舗側が決済手数料として3〜4%負担しなければいけません。一方で、例えばビットコインの決済手数料は1%程度に抑えられます。手数料を抑えたい顧客に対し、支払い方法を提供できるという点で、ビットコイン決済を導入しているということがアピールポイントになるかもしれません。
また、支払いを受けた暗号資産の価格が上昇すれば、その分の利益も確保できます。仮に1日で100万円の利益があったとして、ビットコインの対円価格が上昇していれば、その分だけ利益が増えることになります。これはもちろん、その逆に損失につながる可能性があることも注意が必要です。
暗号資産で支払うデメリット
一方、暗号資産(仮想通貨)決済には以下の5つのデメリットがあります。
- 対応店舗が少ない
- 変動リスクがある
- 決済に時間がかかる
- 準備に手間がかかる
- 税金がかかる
対応店舗が少ない
最も大きなデメリットとしては、2023年2月現在、暗号資産を使った支払いを受け付けている店舗が少ないということでしょう。クレジットカードの対応店舗などに比べると、どうしてもまだ利用できるお店は多くありません。
ただし、ペイパルがアメリカ国内で暗号資産決済を導入しており、ビザもステーブルコインを使ってクレジットカードで支払えるサービスを開始しました。さらには将来的にツイッターでも暗号資産を使った決済機能を開発する方針が報道されています。日本でどのように導入されるかは明らかにされていませんが、今後も徐々に対応店舗が増えていくこともあるかもしれません。
価格の変動リスクがある
暗号資産での決済には、決済をする側と決済を受ける側、共に価格の変動リスクがあります。
たとえば、1BTC=300万円で購入したビットコインが、1ヶ月後には320万円になっていることもあれば、280万円になっていることもあります。
決済する側は、320万円になれば投資益を利用した買い物が可能となりますが、価格が上がり続けるという保証はありません。1BTCが280万円になれば、20万円の損となってしまいます。
現状では変動リスクが大きいため、暗号資産の普及を妨げる要因の一つとなっています。
今後、暗号資産決済がさらに普及するためには、価格の変動リスクが小さくなる必要があるでしょう。
決済に時間がかかる
ビットコインはブロックチェーンとプルーフ・オブ・ワーク(PoW:Proof of Work)という技術を利用して取引が管理されています。支払い(送付)が行われると、世界中に存在するパソコンによる検証作業が行われ、その検証作業には10分程度かかってしまいます。この仕組みにより、ビットコイン決済が完了するまでには10分程度の時間を要してしまうのです。
ただし、この問題はビットコイン決済サービスを店舗側が導入することで解決できます。
ビットコインによる決済は、その仕組み上10分程度時間を要するのは避けられませんが、ビットコイン決済サービスは料金前払いのデポジットで支払うシステムを取っており、即時決済が可能です。
準備に手間がかかる
暗号資産で支払いをするためには、暗号資産交換業者に日本円を入金し、日本円でビットコインといった暗号資産を購入する必要があります。さらにその後、モバイルウォレットや暗号資産交換業者のスマートフォンアプリを使うなど、決済の準備に手間がかかります。
税金がかかる
暗号資産を決済して商品を購入すると、保有する暗号資産支払いをした時点で所得が発生します。これは、保有する暗号資産を売却したことになるためです。
この場合に、商品の価格(暗号資産の売却価格)から使用した暗号資産の取得価額の差額が課税対象となります。
商品の価格(暗号資産の売却価格)―暗号資産の単位あたりの取得価額×数量=課税対象の所得金額
例えば、
①2月1日:600万円で、2BTCを購入(1BTC=300万円)
②5月1日:70万円の商品を購入する際に、0.1BTCを使用
この場合に課税対象額となる所得金額は、
70万円―(600万円÷2BTC)×0.1BTC=40万円
となり、40万円分が課税対象額となります。(※税務申請の詳細に関しては、必ず税務署または税理士へご相談ください。)
暗号資産を使って決済をする際には、利益が出ていれば課税され、株式と異なり損失の相殺制度もありません。すべての取引を記録して翌年の確定申告で計算しないといけないとなると、なかなか気軽に暗号資産を使った決済を利用しようとは思えないのではないでしょうか。
ビットコインや暗号資産の取り扱いに関する税制はまだまだ未整備な状態であり、今後暗号資産が普及するためには、より使いやすい内容に改善される必要があります。
まとめ
暗号資産(仮想通貨)を使った支払いは、利用できる店舗の少なさや価格変動の激しさ、税制の整備の遅れなどにより十分に活用できる状況にはないのが実情です。
一方で、国をまたいでも現地の通貨に換金する必要がなく、また送付にかかるコストを抑えられるという、他の決済方法にはない大きなメリットがあります。
今後、利用できる店舗が増え、税制が整備されるなどすればビットコインが決済の主流となっていくこともあるかもしれません。
DMM Bitcoinで自分が保有する暗号資産で支払いをする場合は、支払先のアドレスに送付する「出金」の手続きが必要です。手続きの流れについては「入金から出金までのお取引の流れ」の「STEP5:出金もしくは暗号資産(仮想通貨)の出庫」をご覧ください。
※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。
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